ノウハウ

予防法務とは?戦略法務と臨床法務との違い

栗田 謙人
更新日:2023/10/05

法務の情報を集める中で、予防法務について気になる人も少なくなさそうです。予防法務が会社にもたらすメリットを知ることで、法務部の重要性が理解できるでしょう。

この記事では、戦略法務と臨床法務の違いを前置きした上で予防法務について解説します。

参考:法務部の仕事内容とは?年収や資格、求められるスキルについて解説

目次
  • 予防法務とは
    • 臨床法務との違い
    • 戦略法務との違い
  • 予防法務が企業にもたらす価値と重要性
    • 紛争回避の重要性
    • コンプライアンスの強化
    • ビジネスのリスク軽減
  • 予防法務の具体例
    • 契約管理と審査
    • 社内ポリシーの策定と監査
      • SNS利用ガイドライン
      • パワーハラスメント防止策
      • 契約文書の取り扱い指針
    • 知的財産権(特許権・意匠権など)の管理
    • 人事・労務など他部署のサポート
  • 予防法務について理解して、転職に役立てよう
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予防法務とは

予防法務とは、企業活動で起こりうるトラブルにあらかじめ対処する取り組みのことをいいます。法務は会社経営をする上で必要な法律を把握し、適切に運用する役割を担う部署です。経営で法に触れることがないよう、あらゆる面から不備がないかの確認をする必要があります。

企業活動が法に抵触すると、会社は社会的な信用を失い大きな損失を受けかねません。一度失った信用を取り戻すのは非常に難しい上、多大なコストを要します。後から大ごとにならないためにも、あらかじめ予防策を講じておく必要があるのです。
次節では、予防法務とよく対比される2つの法務との違いについて解説します。

臨床法務との違い

予防法務はトラブルを未然に防ぐ対応であることに対し、臨床法務は問題が発生した後の対処を指します。予防法務でいくら万全にトラブル対策をしても、企業活動をする限り問題が起きる可能性は0ではありません。

さらにトラブル発生時は混乱が予想される上、今まで経験のない事例への速やかかつ適切な判断は難しいものです。問題発生後の対処についても決めておくことで、影響を最小限にとどめる効果を期待できます。

戦略法務との違い

予防法務がトラブル対応であることに対し、戦略法務は経営判断に活用する知識を指します。会社が発展するためには、法に則りながら戦略を立てていくことが必要です。企業買収や合併、事業譲渡などの大きな決断は高い専門知識を要することから、戦略法務という一つの位置付けがなされています。

予防法務や臨床法務とは異なり、事業規模によっては必ずしも必要とは限らないので専門家に依頼する場合も多いようです。

予防法務が企業にもたらす価値と重要性

予防法務が企業においてどのような価値や重要性を持つのか、気になるところです。多くの企業で採用されているので、自分の会社に当てはめて考えると理解が増すでしょう。

紛争回避の重要性

予防法務は紛争をあらかじめ予防できる働きがあり、円滑な会社経営に欠かせない取り組みです。会社経営では従業員の雇用や外部の関連会社との取引などの、日々さまざまな契約を交わします。契約内容が自社にとって不利な内容の場合、後からの撤回が難しく損失に繋がりかねません。

契約における認識違いによる紛争を回避するためにも、予防法務としてあらかじめ対策を打っておくことが求められるのです。

コンプライアンスの強化

予防法務を正しく実施することで、会社のコンプライアンス強化に繋がります。近頃は企業のあり方が、会社の評判を大きく左右する事例は少なくありません。従業員の不祥事や、長時間労働による健康被害などの話題は瞬く間に世間に広まっていきます。

コンプライアンスにおけるトラブルは、ルールを守り従業員に教育することで防げる事例が多いものです。法務がコンプライアンス強化の取り組みを行うことで、社内全体の意識が高まっていくと考えられます。

ビジネスのリスク軽減

ビジネスリスク軽減との考え方は、予防法務の一番の目的といっても過言ではないでしょう。法律関連のトラブルは、発生してから弁護士に依頼しても不利になる場合がほとんどです。裁判で敗訴すると、会社は多額の賠償金を抱えて倒産する可能性も考えられます。

予防法務は正しく取り入れることで、トラブルを最大限減らすことができる取り組みです。法務部が確かな法律知識を身につけ企業活動を行うことで、会社に貢献することができます。

予防法務の具体例

予防法務の概要を理解できたところで、具体例を知りたくなった人も多そうです。ここでは4つの観点から、予防法務の具体例を解説します。

契約管理と審査

会社が契約行為をスムーズに行うために、締結内容の管理と審査を行います。企業活動では日々さまざまな契約が行われますが、一件一件の内容が異なると管理に手間がかかりミスにも繋がりかねません。契約管理ではそれぞれの契約の内容を大体揃えておくことで、確認の手間やトラブルを防ぎます。

一方で契約審査とは、締結する内容をチェックし自社に不利がないかを見極める業務です。不利な部分があったらあらかじめ削除し、安全な取引を目指します。

社内ポリシーの策定と監査

従業員が守るべき社内ルールの取り決めを行うことで、社員の意識向上やトラブル発生時のスムーズな対応に繋がります。社内の規則を決める際、ルール自体の検討のほかに内容が適切であるかの監査を行うことも必要です。

ルールが明確に決まり内容にも整合性があることで、従業員が規則を守る意識が高まると考えられます。また、決まりの明確化は従業員がルールに違反した際の速やかな対応にも有効です。

SNS利用ガイドライン

従業員がプライベートでSNSを利用する際の、ガイドラインを策定する会社は少なくないようです。社会人の多くはモラルを持つ人がほとんどですが、中にはSNSを利用して会社のブランドに傷をつけるような行為をする人もいます。また、誤って個人情報や会社の機密情報を漏えいするケースも少なくありません。

SNS利用におけるルールを作成し、起きた場合の対処法をまとめておくと速やかな対応に繋がります。

パワーハラスメント防止策

2019年にパワハラ防止法が成立したこともあり、社内での嫌がらせ行為を防ぐ取り組みが求められています。パワーハラスメントにはさまざまな種類があり、知らずのうちに相手を傷つけているケースも少なくないようです。

ひと昔前は当たり前だった教育方法が、近頃ではパワーハラスメントに当たるという事例も聞かれます。パワーハラスメントの定義を明確にし、日頃から気をつけられるように従業員に周知する取り組みが求められるでしょう。

契約文書の取り扱い指針

企業が交わす契約書の、保管方法についてのルールを定めることも必要です。企業は日頃からさまざまな契約行為を行うので、年間にすると膨大な量になります。定期的に整理し必要時にすぐにアクセスできるようにしておくことで、業務の円滑化を測っているのです。

また、契約文書の取り扱いについて決めておけば、紛失や情報漏えい防止にも繋がります。業務が煩雑化しないように、社員で共有できる取り決めを行っておくことが必要です。

知的財産権(特許権・意匠権など)の管理

知的財産権の管理を行うことも、企業が自社を守るべき取り組みの一つです。知的財産権とはサービスや製品を販売する際に重要な権利のことで、特許権や意匠権などが当てはまります。他社のデザインやアイデアを模倣したサービスは、見つかった際に訴えられる可能性が高いです。他社の知的財産権を侵害していないかのチェックや、自社のサービスへの特許出願の必要があります。

知的財産権の管理は、会社の資産の保護にも繋がる重要な業務です。

人事・労務など他部署のサポート

法務は、他部署から法律行為のサポートを頼まれることもあります。企業活動において、法務以外の部署でも法律に基づいて業務を行う必要があり、法務が他部門のサポートを行うことは少なくありません。

特に、人事や労務は従業員の働き方に直結する業務を担うため、トラブルが起きやすい部門です。労働時間や給与、有休消化などが法律に触れていないかの確認が求められます。法改定があった場合は、直ちに社内規定を変更するサポートも必要です。

予防法務について理解して、転職に役立てよう

予防法務は、会社が正しく経営活動を行う上での舵取りのような役割を持ちます。高い専門性を持ち、他部署からも頼られる代わりの効かない存在です。当記事を通して予防法務への理解を深め、スムーズな転職に繋げましょう。

また、法務への転職には管理部門専門のSYNCAの利用がおすすめです。自分の目的に合うサイトを利用して、満足のいく転職を目指しましょう。

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株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。