ノウハウ

FASS検定(経理・財務スキル検定)とは?概要やメリット、転職での活かし方

更新日:2023/11/08

経理や財務の業務を行うにあたって、有名な資格では日商簿記などが注目されています。しかし、FASS検定も新しい資格でありながら企業の評価が非常に高い検定試験です。

本記事ではFASS検定を取得するメリット、勉強方法、転職での活用方法を解説します。この記事を読んで,

キャリアアップや転職に役立てていきましょう。

目次
  • FASS検定とは
    • 日商簿記との違い
  • FASS検定の対象者
  • FASS検定のメリット
    • 就職・転職に有利になる
    • 総合的な経理・財務の知識を学べる
    • 経理スキルのブラッシュアップができる
  • FASS検定の資格概要
    • 試験方法
    • 試験範囲
    • 評価区分
    • 申込期間・試験期間
    • 受験資格・受験料
  • FASS検定の難易度
  • FASSの勉強方法
    • ①公式学習ガイド
    • ②問題集
    • ③eラーニング
  • FASS検定を転職活動で活かすには
    • 日商簿記とのダブルライセンス
    • ハイスコアを獲得する
  • FASS検定はハイスコアなら転職に有利
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FASS検定とは

FASS検定は、経済産業省が推進する「経理・財務サービス・スキルスタンダード普及促進モデル事業」の一環で行われています。経済産業省は、各企業からの即戦力として実務能力の高い人材のニーズに応える形で作られた資格です。また、FASS検定は、会計基準や財務諸表解析、財務管理などの知識と実務能力を総合的に評価する国内唯一の資格試験です。

アメリカのテスト理論を導入して、経理・財務の実務知識とスキルを合格・不合格ではなく、より詳細にA~Eの5段階で評価します。

参考:FASS 経済産業省 経理・財務人材育成事業 公式サイト「FASS検定」

日商簿記との違い

FASS検定と日商簿記は、どちらも経理・財務の分野で重要な資格ですが、異なる特徴があります。

FASS検定は、経理・財務の職種を希望する人に特化した実務ベースのスキルを測る資格です。一方、日商簿記は、財務・経理職を志望する以外の人も多く受験する傾向があります。内容についてもFASS検定では税務なども出題範囲に含まれますが、日商簿記では含まれないといった違いがあります。

そのため、個々のキャリア目標や就業環境に応じて、適切な資格を選択することが重要です。

FASS検定の対象者

FASS検定は、経理・財務の分野でキャリアを築きたいと考えている方々を対象としています。大学生や社会人で経理・財務の専門知識やスキルを身につけ将来経理・財務職を目指す方、既に経理・財務の業務経験を持つ方などが受験対象です。

また、国内外の企業での就職や転職を考えている方にとって、FASS検定は有用な資格とされています。FASS検定の取得は、経済産業省の推奨する経理・財務人材育成事業の担い手にもなっています。

FASS検定のメリット

FASS検定を受けることには、次の様なメリットがあります。ここでは、以下のメリットについて解説していきます。

就職・転職に有利になる

FASS検定の取得は、就職や転職活動において有利になることがあります。経済産業省が推奨する資格であるため、企業側もFASS検定を持つ候補者に高い評価を与える傾向があります。

検定も先進企業50社が研究をして作成した「スキルスタンダード」に基づいているため、企業の認知度・評価も高いです。そのため、A判定など高スコアを取得した場合は、大手企業への転職にも有利に働きます。

総合的な経理・財務の知識を学べる

FASS検定の受験により、総合的な経理・財務の知識を学ぶことができます。会計基準や財務諸表解析、財務管理など、幅広い領域の知識を習得することで、経済活動における会計・財務の重要性と複雑性を理解できます。

日商簿記と違い、FASS検定は網羅的かつ体系的に学べる資格のため即戦力としての活躍が企業側から期待されます。また、経理や財務の一連のフローや対処法までも学ぶことができます。

経理スキルのブラッシュアップができる

FASS検定の受験を通じて、経理スキルをブラッシュアップすることができます。試験の準備や対策を通じて、実務的な問題解決能力や分析力を向上させることができます。また、FASS検定のカリキュラムや教材を活用することで、最新の経理・財務トピックや業界の動向についても学ぶことができます。

目まぐるしく変化する会計基準や規制等の、最新の実務スキルを学ぶことができるのもFASS検定の強みです。経理スキルの向上は、現職での業務の効率化やキャリアアップにつながるでしょう。

FASS検定の資格概要

総合的に経理・財務の知識を学べるFASS検定の具体的な試験内容や評価を知ることは、これから受験する方にとって非常に重要です。ここでは具体的な資格試験の概要について解説していきます。

試験方法

FASS検定は、試験は全国にある試験センターで行われ、CBT方式(コンピューター)で試験が実施されます。試験は複数の科目から構成されており、試験時間は90分、各科目ごとに四肢択一で出題されます。

FASS本体の試験は100問、「オプション科目」FP&A(経営企画スキル)から20問という構成(※1)になっています。

(※1)参考:JQOS.jp 日本資格取得支援 「FASS検定」

試験範囲

FASS検定の試験範囲は、経理・財務の幅広い領域をカバーしています。基本的には「経理・財務サービス・スキルスタンダード」の基準に則り、以下の四分野から出題されます。

  1. 資産
  2. 決算
  3. 税務
  4. 資金

この四分野から、以下の表の範囲が試験範囲となります。

資産 決算 税務 資金
売掛債権 買掛債務 在庫 固定資産 ソフトウェア (クラウドサービス) 月次業績 単体決算 連結決算 外部開示 税効果計算 消費税申告 法人税等申告 グループ通算制度 税務調査 電子帳簿保存法 消費税インボイス制度 現金出納 手形 有価証券 債務保証 貸付金 借入金 社債 デリバティブ取引 外貨建取引 資金管理

評価区分

FASS検定の評価は、合否のみならずグレードによる評価区分が行われます。試験結果に基づいて、5段階A、B、C、D、Eのレベルで評価。総合点数は800点満点で、評価区分は総合的にも評価されますが、各科目(資産、決算、税務、資金)ごとに個別にも行われます。

5段階の点数とランクについては以下の表のとおりです。

ランク 点数(800点満点)
A 689点~
B 641点~688点
C 561点~640点
D 441点~560点
E ~440点

また、「オプション科目」FP&A(経営企画スキル)の評価は以下の表のとおりです。

ランク スコア
Green 80%
Yellow 60%~79%
Red ~59%

申込期間・試験期間

FASS検定の申込期間や試験期間は、毎年公式ウェブサイトなどで告知されます。申込期間と試験実施日は年間で上期と下期に分かれて設定されています。具体的な日程は以下のとおりで、希望の日程を選択して受けることが可能です。

・申込み期間
上期2月1日~7月28日
下期8月1日~1月28日

・試験実施日
上期5月1日~7月31日
下期11月1日~1月31日

受験資格・受験料

FASS検定の受験資格については、特に要件は設定されていません。受験料は一般11,000円(※2)、 試験を実施する協会である日本CFO協会法人会員の場合は8,800円で受験が可能です。

また、日本CFO協会法人会員で50人以上での受験であれば、1人あたり7,920円で受験できます。他にも障害をお持ちの方も、事前に申し出をすると7,920円で受験が可能です。

(※2)参考:経済産業省 経理・財務人材育成事業 公式サイト「FASS検定 検定の概要」

FASS検定の難易度

FASS検定は合格・不合格という基準で評価されないため、何を基準にするかで難易度が変わるといえます。

経理・財務分野について、「日常の業務を行うための基本的なスキルが身についている」と評価されるCランクを基準にすると、2023年3月末現在で60.9%(※3)です。約3人に2人はCランク以上のスコアを出せていると考えると、難易度は低い部類に入ります。ただ、試験範囲が幅広く、実務に即した知識やスキルを問われるため、十分な準備と学習は必要です。

(※3)参考:JQOS.jp 日本資格取得支援 「FASS検定」

FASSの勉強方法

FASS検定の勉強法は、個人の学習スタイルや目標によって異なります。しかし、一般的な勉強法としては、以下のポイントに注意することが重要です。

①公式学習ガイド

FASS検定の勉強には、公式の学習ガイドが役立ちます。FASS検定を主催する日本CFO協会が発行する「経理・財務スキル検定公式学習ガイド」です。検定の問題の約半数がこのガイドから出題される傾向があります。また、学習ガイドは毎年最新のものが発行されるため、常に情報をブラッシュアップして学習することができます。

この「経理・財務スキル検定公式学習ガイド」を繰り返し継続してやることで、より理解を深めることができます。

②問題集

公式学習ガイドの他に、市販されている問題集を使用することで、より広く深く学ぶことができます。FASS検定の勉強において、公式学習ガイドが重要な要素であることは間違いないのですが、よりハイスコアを目指すために市販の問題集を解くことも方法の一つです。

市販の問題集は公式学習ガイドの内容に則ってはいるものの、応用問題なども掲載されており、公式学習ガイドを補完するテキストとして効果的です。

③eラーニング

FASS検定を主催している日本CFO協会から「CFOスクール」というeラーニングが出ています。内容は資産・決算・税務・資金の4つから構成されています。それぞれのコースには研修動画・演習問題・確認問題・修了試験があります。1コース1,650円(※4)で、目的に合うコースを選び学習することが可能です。

1テーマが10〜15分程度の短時間で終わるため、通勤中や寝る前の隙間時間に活用すると良いでしょう。理解が浅い分野などに集中して勉強するとより効果的です。

(※4)参考:JACFO「CFO School」

FASS検定を転職活動で活かすには

FASS検定を転職活動に活かすためには、いくつかのポイントに注目することが重要です。ここでは、以下のポイントについて解説していきます。

日商簿記とのダブルライセンス

FASS検定を持つことと合わせて、日商簿記の資格(2級以上推奨)を取得することで、転職により有利に働きます。日商簿記は実務能力を測るものではありませんが、日本国内において知名度が非常に高く、経理や財務において必須資格です。

しかし、簿記は経理や財務業務で最低限必要な資格であり、簿記だけで企業の内定を得ることは難しいでしょう。そこで、FASS検定を持つことで、実務能力の証明になるため、より企業からの評価を上げることができます。

ハイスコアを獲得する

FASS検定の試験でハイスコアを獲得することは、転職活動において大きなアドバンテージとなります。FASS検定では、ランクB(641点〜688点)以上だと「経理・財務分野のほとんどの業務を理解し、業務を遂行できる」と評価されます。

FASS検定はまだ知名度が高くなく、資格保有者も多くありません。そこでFASS検定、しかもランクB以上のスキルを保持している時点で、ライバルとの差別化ができます。

おのずと企業側の注目度も上がり、年収を上げての転職も見えてくるでしょう。

FASS検定はハイスコアなら転職に有利

FASS検定は、これから注目されていく資格です。経理や財務職への転職を考えている方にとっては、保有者が少ない今が取得のチャンスといえるでしょう。

FASS検定の資格取得をするために、まずは「経理・財務スキル検定公式学習ガイド」を入手してハイスコアを目指して勉強をしていきましょう。

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