ノウハウ

法務の年収が気になる方必読|仕事内容から年収アップの方法まで解説

栗田 謙人
更新日:2023/08/30

「法務の年収ってどれくらいかな」「どうやったら法務になれるのか、仕事内容について知りたい」。法務と一言でいってもどういった業務内容か詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、法務の年収と業務内容について詳しく解説します。また、年収アップの方法や必要なスキルについてもお伝えしますので、参考にしてください。

目次
  • 法務の平均年収は550~590万円ほど
  • 法務の年収に関する3つの特徴
    • 企業規模に比例
    • 資格の有無で変化
    • キャリアによる変化
  • 法務職で年収を上げる方法
    • 転職する
      • 外資系企業の法務
      • ベンチャー企業の法務部立ち上げポジション
    • 経験を積む、もしくは成果を出す
    • スキルアップを図る
  • 法務の年収アップに必要なスキルや経験
    • 国際法務案件の実務経験
    • 海外の人とコミュニケーションがとれる語学能力
    • コンプライアンスを意識した業務経験
    • 立ち上げやマネジメントをした経験
    • 法律に関する高度な知識
  • 法務の仕事内容
    • 取引先との契約書類の確認
    • 社内規定の整備
    • 法律に関する社内対応
    • 企業の法的手続き
    • 訴訟などのトラブル対応
  • 法務になるためには?
  • 法務へ転職して年収アップを目指そう
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法務の平均年収は550~590万円ほど

出典 平均年収 年代別年収
NO-LIMIT(ノーリミット) 591万円
  • 20代:393万円
  • 30代:516万円
  • 40代:639万円
マイナビAGENT 596万円
  • 20代:596万円
  • 30代:509万円
LEGAL JOB MAGAZINE 560万円
  • 20代:350~450万円
  • 30代:570万円
  • 40代~50代:750万円
求人ボックス 給料ナビ 544万円 月給:45万円
indeed 579万円 月給:41万円
doda 634万円

法務の平均年収は550〜590万円ほどになっており、一般的に高い傾向にあります。なぜなら、企業は優秀な法務職を採用したいと考えているからです。

法務を目指している人は法学部や法科大学院出身者が多いです。法務は専門的な知識が評価されるため、その分年収が高くなっています。法務職と言っても、所属している企業規模や業務内容、持っている資格によっても年収に差があり、役職についているかでも年収は大きく変わってきます。

法務の年収は青天井ではなく、一般法務職の平均年収は600万円前後となっています。なぜなら、法務部は必ずしも弁護士や弁理士、司法書士などのように、法律に関する専門家としてふるまうことを求められているわけではないことと、法務は営業などと違い直接的な利益を生み出す部署ではないため、自社への貢献度合いが年収に反映されづらいケースも少なからずあるからです。

参考:NO-LIMIT(ノーリミット)「【2023年】法務職の平均年収は575万円が相場|年代・業務内容別の相場と年収アップの方法」
参考:マイナビAGENT「法務」
参考:LEGAL JOB MAGAZINE「【法務】年齢別の平均年収や年収相場・年収を上げる方法」
参考:求人ボックス 給料ナビ「法務の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
参考:indeed「日本での法務の平均給与」
参考:duda「年収の高い職業は? 平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」

法務の年収に関する3つの特徴

法務は高度な専門知識が求められるため一般的に高い傾向です。ここでは、法務の年収に関する3つの特徴について解説します。

企業規模に比例

法務は社内で訴訟対応などをする法律のスペシャリストではありますが、立場としてはサラリーマンであり、弁護士などの専門職ではありません。また、ほかの部署の社員と同じ給与体系が適用されるため、法務の給料は基本的に企業規模に比例しています。

目安としては、中小企業では年収400万円前後、大企業であれば年収600万円前後になります。大手であるほど高い年収である傾向です。なぜなら、大企業では法的リスクの管理やコンプライアンスの要求が高く、高度な専門知識や経験が求められるからです。一方、中小企業では、法務のニーズや業務量が少ないため、年収が比較的低い場合があります。

資格の有無で変化

法務の年収が資格の有無によって変わる理由は、資格は法務の専門知識やスキルの証明であるからです。特に弁護士や弁理士、司法書士などは、企業の法的なリスク管理やコンプライアンスの役割を果たす能力を持っており、より価値のある貢献が期待されます。こうした資格を持っている人は、転職市場でも価値があり、多くの企業が求めている人材です。

一方、資格を持たない場合は、転職市場においてほかの候補者よりも競争力が低く、給与水準が相対的に低い傾向があります。法務の仕事に役立つ資格を有している場合、資格手当が支給されるケースもあります。ただし、資格だけでなく実務経験や専門知識の幅も重要で、給与に影響します。

キャリアによる変化

法務の年収はキャリアによっても変わってきます。なぜなら、キャリアを経ることで経験と専門知識が積み上がり、責任や役割が増えていくからです。キャリアの蓄積により、企業内外からの評価が上がるにつれて高い給与になっていく傾向にあります。どれほどの実務経験を積んできたかがその人のキャリアへの評価に繋がります。

法務は法律を扱うため、一人前になるまでにも時間がかかる職種です。コツコツと日々の業務の中で経験を蓄えることで、将来的に専門性が高い人材であると評価されるでしょう。

法務職で年収を上げる方法

仕事はやりがいだけではなく、年収アップは仕事における重要なファクターです。法務で年収を上げるための方法について3つ解説します。

転職する

法務で年収を上げるには、転職をすることが考えられます。特に、以下のポジションを意識すると法務の中でも年収が上がる傾向にあります。

・大手企業の法務マネージャー
法務部マネージャーは、組織の中で法務活動を管理し、戦略的な意思決定やリスク管理などの役割を果たします。特に大手企業の場合、経営状況の安定性や法務体制が十分整っており、法務に人材をリソースできる余力があります。そのため年収も高くなってくる傾向にあります。一般的には法務の経験とスキル、マネジメント能力によって年収が決まりますが、800万円以上の年収が期待されることがあります。

外資系企業の法務

外資系企業の法務は、海外企業が日本国内でビジネスを成功させるための法的支援です。外資系企業は一般的に高い給与水準を有しており、法務ポジションでもほかの企業に比べて年収が高い場合があります。具体的な年収は、企業の規模、業界、経験やスキルによって異なりますが、年収相場は700万〜800万円が目安です。

ベンチャー企業の法務部立ち上げポジション

ベンチャー企業は、 成長段階によって資金やリソースの制約が異なります。初期のベンチャー企業では、資金が限られているために年収もそれに応じて低めになる場合があります。一方、成長著しいベンチャー企業では、企業の成功や業績に応じて報酬が上昇する可能性があります。一般的にはおおむね500万〜600万円が水準となっています。

経験を積む、もしくは成果を出す

現在の所属している企業で年収を上げることを考える場合は、人事考課制度を確認してみましょう。人事考課制度とは、企業で定めた基準に基づき社員の実績や業務態度、能力を評価する制度のことです。

年収をアップさせるには、課長や部長といった管理職への昇進が条件となっていることが多いです。管理職への昇進は、経験を積むか成果を出すことが重要です。経験を積むためには、幅広い案件に関与し、異なる分野や業界の法律に精通することが必要です。

また、成果を出すためには、問題解決能力や交渉力を磨き、効果的なリーガルサポートを提供することが重要です。成果を上げることで信頼を得て、組織に貢献することで社内での評価が上がり、昇格への道に繋がります。

スキルアップを図る

法務で年収を上げるためには、スキルアップを図ることも重要です。法務職では、契約書の作成や法的調査などの業務を行うため、専門的な知識が求められます。専門知識を深めるためには、研修やセミナーに参加し、資格取得を目指すことが大切です。

また、コミュニケーションスキルや交渉力、プロジェクト管理能力といったビジネススキルも磨いていくことも重要です。そうすることで、部署内でのチームワークを高め、リーダーシップを発揮することで、クライアントに優れたサービスを提供することができるようになるでしょう。

法務の年収アップに必要なスキルや経験

法務の年収を上げるには、優れた専門知識や実務経験、ビジネススキルが必要です。法務で必要なスキルや経験を磨き、成果を上げることで法務の年収アップに繋げることができます。ここでは年収アップに必要なスキルや経験について解説します。

国際法務案件の実務経験

国際法務案件とは、海外進出する企業を法的な観点からサポートすることです。年収がアップする可能性として、国際的な取引の需要の高まりがあげられます。国際化が進む現代のビジネスの場において、企業の国際展開やグローバルな契約取引が増加しています。国際法務の専門知識や経験を持つ法務担当者は、企業にとって貴重な存在となります。

需要の高まりによって、国際法務のスキルを持つ法務担当者の市場価値が上がり、それに応じて年収も上昇する可能性があります。必ずしも全ての場合において年収が上がるとは限りませんが、年収は多くの要素によって左右されるため、個別の状況や条件により異なる結果が生じる可能性があります。

海外の人とコミュニケーションがとれる語学能力

法務で年収を上げるためには、海外の人とコミュニケーションが取れる語学能力を身につけることは非常に重要です。なぜなら、国際案件の取引が増えており、企業が国際市場でビジネスを展開する際に重要な役割を果たすからです。

国際契約や国際取引などの案件では、異なる言語を話す関係者とのコミュニケーションが必要です。語学能力を持つことで、外国のクライアントやパートナーと円滑なコミュニケーションを図り、案件の進行をスムーズにすることができます。語学力の目安としては、TOEIC700点以上とされています。

レベルでいうと、TOEIC®テストスコアとコミュニケーションレベル相関表(※1)によれば、レベルA~Eの5段階評価のうち、B程度となり、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」と評価されています。

(※1)参考:TOEIC「PROFICIENCY SCALE」

コンプライアンスを意識した業務経験

コンプライアンスとは、法令順守という意味であり、現在の企業経営において欠くことのできない極めて重要なものとなっています。

コンプライアンス業務とは、社内におけるコンプライアンス違反を未然に防ぐことや、コンプライアンス意識を社内全体に浸透させることなどを目的とした業務です。

一般企業においてコンプライアンスを担当するのは法務です。法務の業務内容は法的トラブルの予防や解決であり、契約書などの作成が中心です。中には書類作成の業務しか担当したことがないという人もいます。しかし、現代の会社において、コンプライアンスは適切な体制のもとに実現すべきものだと考えられるようになりました。法務部門がコンプライアンスを適切に管理し、法的にリスクを低減する役割を担うことはとても重要です。

立ち上げやマネジメントをした経験

これまで企業の法務は、主に総務部などが担当している場合が多く、トラブルが生じた場合は顧問弁護士に相談する形で対応することが多くありました。

しかし、最近では中小企業を始め、法務部を立ち上げる企業が増えてきています。法務部を1から立ち上げを行うことはなかなかできる機会がなく、法務の年収アップに繋がる付加価値の一つになるでしょう。

また、立ち上げにはリーダーとしてコンプライアンスの推進やリスク管理といった業務をしていくことになり、マネジメントや高度なリーダシップ能力が必要になります。そういった経験は法務として年収アップに繋がるでしょう。

法律に関する高度な知識

法務に必要なスキルは、法律に関する高度な知識です。高度な知識とは、法律の基礎的な理解だけでなく、専門分野や関連する法律の知識が含まれます。

法務担当者は、契約法、労働法、知的財産法など、ビジネスに関連する法的な規制や法律を理解し、適用する能力が求められます。高度な法律知識は、企業のリスク管理や法的コンプライアンスの確保、契約書や法的文書の作成・解釈、訴訟対応などの業務において重要な役割を果たします。さらに、ミスは許されないため法律の変化や最新の判例に対する洞察力や迅速な学習能力も重要です。

法務の仕事内容

法務の仕事は、法律に関するアドバイスやサポートを提供し、組織の法的健全性を確保します。ここでは法務の主な仕事内容について5つ解説します。

取引先との契約書類の確認

法務の仕事のメイン業務は、取引先との契約書類の確認です。企業は、取引で契約を交わす際、売買契約書や業務委託契約書など、さまざまな契約書を作成します。

契約書類の確認は、法律や規制に準じているかどうかを確認し、リスクや法的な問題がないかどうかを確認します。万が一、契約した書類が違法な内容であったり、自社に不利になるような契約内容であった場合は会社の信用を落としたり、トラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。

そうならないために、法務担当者は契約書類を的確に評価し、企業の利益と法的な要件を守るために尽力します。契約書類の確認は、法的リスクの最小化や取引関係の円滑化に重要な役割を果たしているのです。

社内規定の整備

社内規定の整備は、企業の運営や業務に関する規定を策定し、法的に問題がないかどうかをチェックします。社内規定は、就業規則や給与規定、服務規程などさまざまな規定があります。

これらの規定は、企業が独自に定めておりますが、労働法などの法律に触れている内容では従業員は安心して働くことができません。法務担当者は、関連する法律や規制を調査・分析し、組織のニーズやリスクを考慮しながら社内規定を作成・改訂します。

適切なコンプライアンスの実現やリスク管理のために、社内規定の整備は重要な業務となります。法務担当者は、社内各部門や役員と連携し、適切な規定の制定と周知徹底を行うことで、企業の運営の透明性と法的な合法性を確保します。

法律に関する社内対応

法律に関する社内対応は、社内での法令遵守や法的問題の予防・解決に努め、企業の法的健全性を確保することです。たとえば、社内で行う予定の事業が法律的に問題ないかを確認することも法務の業務に含まれます。

また、個人情報保護法に関する場合、従業員や顧客の個人情報の適切な管理が求められます。法務部門は、組織内での個人情報保護に関するガイドラインやポリシーの策定、従業員への教育・啓発活動の実施などを通じて、個人情報保護法への遵守を確保します。さまざまな法律があるため、法務は法律に関するスペシャリストでなければならないのです。

企業の法的手続き

法務の仕事は企業の法的手続きの管理とサポートです。これは、企業が法的な要件を遵守し、法的手続きを適切に実施するための役割を果たします。

たとえば、子会社を設立したり、株式の発行や分割等を行ったりする際、契約の作成や管理、法的文書の作成やレビューといった業務を行います。法務担当者は、法的なリスクを評価し、適切な法的アドバイスを提供するだけでなく、必要な手続きを遂行し、法的な問題の解決に向けて企業をサポートします。

企業の法的手続きの適切な管理は、リスクを最小限に抑え、法律を正しく守ることに貢献します。

訴訟などのトラブル対応

顧客からのクレームや、取引先とトラブルや紛争が起こった場合は、法務担当者が解決に向けて対応を行います。具体的な業務内容は、企業と顧客との間でトラブルが発生しないよう、事前に契約書の確認や営業部門からの相談を受け付けたりします。

しかし、どんなに事前にトラブルを防ごうとしても問題が起こることはあります。そのようなときは、弁護士との連携などを通じて、訴訟に関する戦略や解決策を検討し対応します。近年では、インターネットの発展によって企業に損害を与えるような人も残念ながらまれにいます。法務の役割は企業の利益を守り、法律に背かずしっかりと守っていくことが使命です。

法務になるためには?

法務になるためには弁護士などとは異なり、特定の資格や学歴がなければ就くことができない職種ではありません。しかし、法務は法律の知識や法的思考力、契約交渉といった高い専門性が求められる職種です。そのため、法務部で実際に働いている人は法学部出身者が多いです。学生のうちから法務部で働きたい人は法学部への入学を視野に入れておきましょう。

また、資格を取ることも有効です。弁護士や司法書士、行政書士といった資格は難易度が高く取得するには膨大な勉強時間と努力が必要です。まずはビジネス実務法務検定やビジネスコンプライアンス検定といった資格からチャレンジするとよいでしょう。資格は専門知識を裏付ける証明となりますが、実務経験が重視される傾向ですので、実務経験に加えて資格を取ることは転職の際には有効です。

法務へ転職して年収アップを目指そう

法務への転職で年収アップを目指すには、次のポイントに注意しましょう。まず、法務の専門知識を獲得し、法律へ精通することが重要です。また、経験を積むために実務に携わり、成果を出すことが求められます。また、高い語学力の取得やマネジメント経験、コンプライアンス業務に携わるといったことも必要です。熱意と努力を持って法務のキャリアを築くことで年収アップの可能性を広げることができるでしょう。

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株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。