ノウハウ

何卒とはどんな意味?読み方や使い方、使用する際の注意点、類語を紹介

栗田 謙人
更新日:2024/02/06

ビジネスシーンで使うことの多い「何卒」ですが、正しい意味を理解して使えているでしょうか?頻繁に使う言葉だからこそ、正しい使い方や意味を知っておくことが大切です。

本記事では「何卒」の正しい使い方や意味と使う際の注意点、類語などを解説します。ビジネスシーンで、社会人として配慮の行き届いたメールや会話ができるよう、ぜひ参考にしてください。

目次
  • 何卒の意味や読み方
  • 何卒の使い方
    • 何かを依頼するときに使う
    • 提案に対して検討してほしいときに使う
    • メールや挨拶の締めに使う
  • 「何卒」を使った例文
    • 「何卒よろしくお願いいたします」
    • 「なにとぞ倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」
    • 「何卒ご了承ください」
    • 「何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
    • 「何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます」
  • 何卒を使う際の注意点
    • 重複に気を付ける
    • 相手で使い分ける
  • 何卒の類語
    • どうぞ
    • どうか
    • ぜひ
    • くれぐれも
  • 何卒の英語表現
  • 「何卒」の意味を理解してビジネスシーンに活かしましょう
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何卒の意味や読み方

「何卒」は「なにとぞ」と読みます「どうぞ」や「どうか」と相手に強く願う気持ちや「何とかして」「ぜひとも」と尽力しようとする意思を表す言葉です

「何卒」はビジネスシーンにおいて、上司や取引先、お客様とのやり取りの場面で使用頻度の高い言葉です。「何卒よろしくお願いいたします」や「何卒ご容赦ください」のように、相手に依頼をしたり、同意や理解を求める表現として使われます。

「何卒」は口語より文語で使われることが多い言葉ですが、口語で使うのが間違いではありません。

何卒の使い方

「何卒」とは「どうぞ」や「どうか」と相手に強く願う気持ちを表す言葉です。どのような使い方があるのかを具体的に知っておくと、ビジネスシーンで上司や取引先、お客様に対して迷わずに使えます。ここでは「何卒」の使い方を目的や場面とあわせて解説します。

何かを依頼するときに使う

「何卒」は相手に対して何かを依頼するときに使います。「絶対に」「必ず」という強い表現ではなく「何卒」を使うとマイルドな語感で伝えられます。「何卒」を使い依頼をする場合には、相手に何をしてほしいのか、具体的に依頼内容を添えるのがマナーです。

たとえば、クライアントに納品した商品が届いているかを確認する場合には「ご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします」と「何卒」と「お願い」を一緒に使います。

「何卒」を使ったメールや手紙を受け取った場合には「かしこまりました」「承知しました」と丁寧な返答をするようにしましょう。

提案に対して検討してほしいときに使う

営業や交渉時、こちらの提案したことについて、検討してほしいときにも「何卒」を使います。

たとえば、クライアントのところに新商品を持参して営業に行った際、新商品の導入を検討してもらいたいときには、以下のように使うと良いでしょう。
「本日お持ちした商品の導入を、何卒ご検討のほどお願い申し上げます」

相手に対して、導入を検討をしてもうことを強く願うという意味での使い方と言えます。

メールや挨拶の締めに使う

「何卒」は、依頼や提案のほか、メールの文章や会話の両方に使えます。メールや会話では、締めの挨拶や文末に使われることが多い表現です。

メールの締めに使う場合「今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」というのが一般的です。

ほとんどの場面で使えますが、あまり親しい間柄の場合には、かしこった印象になりすぎるためあまり向いていません。親しい間柄の相手には「よろしくお願いします」程度の表現がいいでしょう。

「何卒」を使った例文

「何卒」は何かを依頼する際や、提案を検討してもらいたいとき、メールの挨拶や締めに使います。ここでは「何卒」を使ったよく使われるフレーズや意味を説明します。それぞれの、例文も紹介しますので参考にしてください。

「何卒よろしくお願いいたします」

「何卒よろしくお願いいたします」はビジネスメールの締めとしてよく使われる表現です。自分が伝えたいことを強調する場面で使用されます。

また、依頼や要求、挨拶で使用することもあり、ビジネスシーンでは頻度の高い表現です。

例文

  • (メールの締め)今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
  • (依頼や要求)早急に納品をいただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。
  • (挨拶)⚪︎⚪︎と申します。何卒よろしくお願いいたします。

「なにとぞ倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」

「なにとぞ倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」は周年記念や年賀状など、格式ばった場面で使用されます。「倍旧」は「より一層」という意味があります。
「何卒倍旧」と表記すると圧迫感があるため、ひらがな表記にする方がいいでしょう。

例文

  • (年賀状の挨拶)本年もなにとぞ倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
  • (周年記念)弊社は50周年を迎え、一層の飛躍を目指して参ります。今後ともなにとぞ倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

「何卒ご了承ください」

「何卒ご了承ください」は、お店の定休日や休業日、営業時間のお知らせなどを、貼り紙やホームページで案内する際に使用します。お客様に一般的な理解を求めたいときに、案内の最後に使う表現です。

「何卒ご了承ください」の後に「ませ」をつけるとより柔らかい印象で表現できます。

例文

  • 年末年始の営業時間は8:00〜17:00とさせていただきます。何卒ご了承ください。
  • 本日は臨時休業とさせていただきます。何卒ご了承くださいませ。

「何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます」

「何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます」の「容赦」には「許すこと」という意味があり、自分の勘違いであることを考慮して、相手に謝罪する表現です。「書類が届いていない」「入金確認ができない」など、相手に不快感を抱かせないよう配慮して確認をしたいときに用います。

例文

  • 本日時点で入金の確認ができておりません。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご確認をお願いいたします。なお、ご入金が本メールと行き違いの場合には、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

「何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます」

「何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます」はとても丁寧な表現で、ビジネスシーンにおいては頻繁に使われます。相手を尊重する必要があるときや、正式な場面での使用頻度が高い表現です。

たとえば、価格変更をした場合やクレームに対して理解を求めたいときなど、自分の要求や意見、立場を理解してほしいときに使います。

例文

  • 原材料価格の高騰に伴い、価格の見直しをせざるを得ません。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

何卒を使う際の注意点

「何卒」はビジネスシーンでの使用頻度が高い言葉だけに、間違った使い方をしないように注意する必要があります。ここでは「何卒」を使う際に注意したいポイントについて解説します。正しく使えるように、ポイントを抑えておきましょう。

重複に気を付ける

「何卒」は文中でも文末でも使用できる言葉ですが、ひとつのメールのなかで何度も使用しないようにしましょう。「何卒」は「よろしくお願いします」を強調する言葉です。何度も使用すると、何度もお願いをすることになったり、本当に重要な部分が伝わりません。受け取った相手に重苦しい印象を与えてしまわないためにも、重複しないよう注意が必要です。

また、砕けた表現として「何卒何卒」と何卒だけを繰り返すのは、ビジネスシーンでは相応しくないので避けるようにしましょう。

相手で使い分ける

「何卒」は「よろしくお願いします」を強調する言葉のため、それほど重要ではないことに使うと、大げさな印象を与えます。

また、同僚や後輩、親しい先輩に「何卒」を使うのは、必要以上にかしこまりすぎて不自然です。たとえ取引先やお客様であっても、親しい間柄であれば「何卒」は使わず「どうぞよろしくお願いします」に留めるのがいいでしょう。必要以上にフォーマルな表現をするのは、相手に他人行儀な印象を与えかねないからです。

何卒の類語

ここまで解説したように「何卒」はひとつのメールで何度も使用したり、使う相手によっては違う表現のほうがいい場合もあります。ここでは、「何卒」の類語を紹介します。シーンや相手によって、より良い表現を使えるようにしましょう。

どうぞ

「どうぞ」は相手に心から願ったり、丁寧に頼む気持ちを表す表現です。ビジネスシーンで「何卒」と同じように、相手に強く依頼したり、メールの文章や手紙の締めくくりで使用できます。

例文

  • 今後とも、どうぞよろしくお願いします。
  • 会議資料を添付しておりますので、ご査収ください。どうぞよろしくお願いいたします。

どうか

「どうか」はある程度困難であることはわかっているが、そこをどうにかお願いする時に使う表現です。したがって、困難な状況がまったく想定されない場面で使うと不自然です。

たとえば、お客様に「どうぞ召し上がってください」を「どうか召し上がってください」と言うと、違う意味になってしまいます。

例文

  • どうかひとつよろしくお願いいたします。
  • ご検討のほど、どうかよろしくお願い申し上げます。

ぜひ

「ぜひ」は心を込めて強く願う時に用いる表現で、何かを依頼したいときや、希望を伝えるときに使います。口語、文語どちらでも使用でき、親近感を込めて依頼をしたいときに使うと良いでしょう。

例文

  • ぜひともよろしくお願いいたします。
  • ぜひ一度お目にかかり、直接今後のことについてお話しさせていただきたいと思っております。

くれぐれも

「くれぐれも」は「念を入れて」「かえすがえす」の意味があります。より心を込めていることを強調し、念を入れて相手に依頼をするときに使う言葉です。依頼の意味で使う場合には対等な立場の人や、目下の人に対して使います。

たとえば、仕事の検討を検討してもらったり、取引先への挨拶や感謝を伝える際に使う言葉です。

例文

  • くれぐれもよろしくお願い申し上げます。
  • その点はくれぐれもよろしくお願いいたします。

何卒の英語表現

「何卒」を英語表現で正確に表現できる言葉はありません。もし「何卒」を英訳したい場合には、「〜していただけませんか」「自分のことを理解してくれてありがとう」と言う表現を使います。

例文

  • We appreciate your cooperation.(どうぞよろしくお願いします)
  • Would you please〜?(〜していただけませんか?)

「何卒」の意味を理解してビジネスシーンに活かしましょう

「何卒」は相手に強く願いを表す言葉で、ビジネスシーンでは頻繁に使用されます。使うシーンや相手によっては「何卒」以外の言葉の選択をする方がいいこともあります。より配慮の行き届いたメールや手紙の文章であれば、相手に心遣いが伝わるでしょう。

この記事を参考にぜひビジネスシーンで正しく「何卒」を活用してください。

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。