ノウハウ

考察とは?意味やよく似た言葉、ビジネスシーンでの使い方を解説

栗田 謙人
更新日:2024/02/06

「考察」は、日常ではあまり目にする機会がない言葉ですが、論文などで読んだり記述した経験があるという人もいるでしょう。ビジネスにおいて考察は重要な意味を持つため、しっかり把握して使いたいものです。

この記事では考察の本来の意味や使い方、類語や言いかえ表現などを解説します。考察の正しい使い方を覚えて、ビジネスシーンで役立ててください。

目次
  • 考察とは?
    • 考察の意味
    • 考察の使い方
    • ビジネスシーンでの使い方
  • 考察が使われる場面は?
    • レポート・論文・報告書
    • プレゼンテーション
    • 書き方のポイント
  • 考察の類語や言い換え
    • 鑑定
    • 吟味
    • 考査
    • 推察
    • 論考
    • 熟考
    • 検討
  • 「感想」「所感」「結論」との違い
    • 感想
    • 所感
    • 結論
  • 考察の意味を正しく理解し、ビジネスシーンで役立てよう
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考察とは?

考察とは、物事を明らかにするためにいろいろ調べて、得られた結果・事実をよく考えることです。考察には、ある物事の詳細を良く調べ、分析したり検討して、導き出した答えに至る過程を明らかにすることも含まれます。

この章では考察の本来の意味や使い方、ビジネスシーンでの使い方を紹介します。

考察の意味

考察の本来の意味は、結果に至った理由や原因を考え導き出すことです。なぜそのような結果が出たのかを詳しく調べて考え、洞察を得ることが「考察」であり、自分の思いや考えを述べた感想、答えとは異なるので区別しましょう。

考察には自分の考えの裏付けとなる客観的なデータを提示し、論理的に述べることが含まれます。考え抜いた末に得られた考えそのものを考察と呼ぶこともあります。

ビジネスにおいて考察は、自分の提案や意見を相手に伝えるために重要な行動です。正しく伝えるためには多角的な視点や客観性、論理的思考が求められます。

考察の使い方

考察という言葉は日常会話で使われることは少ないですが、学校や論文、職場などではたびたび使用されます。考察を使用することで、主観的ではなく客観的に、また多角的に良く調べ考える、という考え方の種類・方向性を伝えることが可能です。

考察に「する」を足すことで動詞として使うこともできます。

例文

  • その調査結果から、プランAでは不十分だとの考察が述べられた。
  • ジェンダー平等については、さまざまな角度からの考察が必要である。
  • 郷土料理の可能性について考察を加えた。

動詞として使う場合は以下のようになります。

例文

  • 市場調査の結果から考察すると、〜であることが原因の一つにあげられる。
  • この実験結果をもとに、みんなで考察していきましょう。
  • 各大学の新入生について、それぞれの特徴について考察した。

ビジネスシーンでの使い方

考察は、報告書の作成やレポートをまとめる時など、ビジネスシーンにおいてもよく使われます。ビジネスシーンでの考察には、理由や根拠を具体的に述べ、自分の考えが客観的な根拠のあるものだと明確にする役割があります。

理由や根拠を述べた後、それぞれの具体的な数値やデータ、参考文献などを紹介することで、自分の考えをより信憑性の高いものにしていくことが可能です。得られたデータをどのように分析したのか、仮説に対してどんな判断ができるのかなど、客観的な視点で述べることが大切です。

考察の後には、仕事の目的に対して結論はどうだったかを述べ、締めくくります。ビジネスでは考察は重要ですが、成果が上がったかどうかという結論を端的に伝えることも重要です。

考察が使われる場面は?

考察を用いることで、説得力のある報告書を提出できたり、訴求力のあるプレゼンテーションを行うことが可能になります。それぞれの場面での考察の使い方や、必要性について解説します。

レポート・論文・報告書

調査や実験した結果を報告したり、レポートにまとめる時に、考察は不可欠です。レポートを作成する際には、目的→結果→考察→結論という流れになります。考察は結論に至るための重要な段階です。

調査や実験で得られた数字やデータから、なぜその結果が出たのか、事実を基に考え述べるのが考察です。考察は、結果から判断を下すための大きな役割を担っています。

結果→考察→結論を例文で表すと以下のようになります。

例文

  • (結果)今回の調査では、20代は30代よりも30%以上多いことが判明した。
  • (考察)調査結果で得られたデータをもとに考察すると、〜が原因であると考えられる。
  • (結論)したがって、○○は××である。

プレゼンテーション

ビジネスシーンでのプレゼンテーションは、企画会議や上司への報告、説明会などを行う際に必要です。プレゼンテーションの流れは基本的にレポートと同じであり、結論に至るまでの考察は重要な項目になってきます。

プレゼンテーションに「客観的なデータに基づいた考察」という、論理的に解明するプロセスが入ると、説得力を持たせるために効果的です。また、仕事の成果を報告する場合にも論理的な考察が役立ちます。

例文

  • (結果)今回のリサーチ結果から、関東地区では○○が50%以上であると判明しました。
  • (考察)前回のリサーチでは××であったことと比較すると、
  • (結論)バージョンアップにより満足度が上がったことがわかりました。

書き方のポイント

考察を書く際には、誰に向けたものなのかをはっきりさせておきましょう。対象が違うとおのずと内容も変わってきます。考察では、調査や実験の目的と仮説、結果を述べます。結果は事実を中心に客観的な数値などを用いて表し、考察との違いを明確にしましょう。

考察は結果で示した客観的なデータを見てわかることを、論理的に組み立て伝えるようにします。注意したいのは、考察には感想や反省を入れないということです。調査結果や実験結果から客観的に判断できる自分の考えや意見のみを書きましょう。

結果から見える新たな課題を書くのもよいでしょう。

考察の類語や言い換え

この章では考察の類語や、ビジネスシーンで言い換えられる言葉について解説していきます。それぞれの使い方やニュアンスの違いについて理解して、正しく使い分けていきましょう。

鑑定

書画や骨董、資料などの真偽や良否を判定することを鑑定といいます。鑑定では目利きの視点で本質的な特徴を見極めるという点が重要視されます。

考察には真偽や良否を見極めるという意味が含まれないため、異なる意味を持った言葉と言えます。鑑定はビジネスシーンで使用される場面は少ないでしょう。

例文

  • 見つかった品物の真偽を鑑定する。
  • 残された手紙の筆跡を鑑定してもらった。

吟味

吟味は品質、内容、理論などについて詳しく調べて確かめることです。念入りに調べて選ぶという意味もあり、慎重に検討し、選択するプロセスを指しています。

「吟味した結果、貴社の案を採用することが決定しました」など、結論を出す、選択する場合などに使用されます。

考査

考査は字のごとく、考え調べることや調べて判断することです。学校などで行う試験も考査といいます。考査はデータの収集や分析、結論の導出を指すため、考察のような思考プロセスは要求されません。

どちらも客観的なアプローチになりますが、考査の方がより客観性を重要視します。

推察

物事についてさまざまな視点から調べて予測することや、情報に基づいて推測し考えることです。事実に基づいて考えを述べる意味合いですが、主観的な思考であることが考察との違いです。

考察は結論に至るまでの過程も重視されるのに対し、推察は見た目ではわからない他人の考えなどに使われることが多い言葉です。

例文

  • 上司がイライラしているのは多忙のせいであると推察した。
  • 道に残された足跡を見て、何の足跡なのか推察した。

論考

論考は、あるテーマについて論じた文章や考えのことです。論文は記述した文章を指します。論考は深い洞察力を示しており、論考そのものに論じ考察するという意味が含まれています。

ニュアンス的には、考察よりも論考の方が論理的なステップや論拠の整合性が重要視されると言えるでしょう。

熟考

熟考(じゅっこう)はよくよく考えること、十分に思いを巡らすことです。反対語は浅はかな考えの意味がある「浅慮」になります。熟考には単純によく考えるというニュアンスがあり、客観的なデータを調べて論理的に考える考察とは曖昧さや主観的である点に相違があります。

例文

  • その件について熟考してください。
  • 熟考を重ねた結果、上京することに決めた。

検討

検討はよく調べてから判断することです。ビジネスシーンでは取引において一旦判断を保留したい場合に「検討します」のように使われます。考察と検討は詳しく調べて考えることでは共通しています。

考察がある一定の事柄について出た結果を分析し客観的に判断するのに対し、検討はいろいろな面から調べて良いか悪いか判断することを指しています。考察には考え出されたことが正しいのか間違っているのかは含まれていません。

「感想」「所感」「結論」との違い

「考察」イコール「感想」、「所感」だと思っている人は多いかもしれません。ビジネスでは正しい使い分けをしていきたい言葉です。ここでは感想、所感、結論の違いについて解説します。

感想

感想はある物事に対して生じた考えや思ったことであり、主観的なものです。たとえば、「映画の感想を述べる」「出された料理の感想を聞きたい」などのように使います。個人の感じ方や考え方を表す言葉なので、漠然としていたり、あいまいな内容であることも多いです。

それに対して考察は具体的なデータをもとに筋道を立てて考えたものであり、客観性が必要です。論理的な考えを述べる考察はビジネスにおいて重要ですが、感想は重要視されません。

所感

所感は、物事に触れて心に感じたことを指しています。感想が「嬉しかった」「楽しかった」のような漠然とした感情を表すのに対し、気づきや意見を表します。仕事においては自分の意見を述べる時に用いられることが多いようです。

所感は主観的な考えになり、事実に基づく必要はありません。一方、考察は客観的な考えが求められるため、事実をもとにしていることが要求されます。

例文

  • 私の所感としては、AよりもBのプロジェクトの方が優先度が高いと考えています。

結論

調査や実験から得られた数値やデータを記録したものが「結果」であり、「結論」は結果をもとに行われた考察や議論をまとめたものになります。

結果からすぐに結論に行ってしまうと説明部分が不足します。それをつなげるのが考察の役割です。ビジネスでは課題(仮説)に対する答えを結論として提示しますが、結論に至った考え方や論理的な説明を補うのが考察です。考察が客観的であるほど説得力が高まります。

考察の意味を正しく理解し、ビジネスシーンで役立てよう

考察は、プレゼンテーションやレポートにおいて必須の項目です。考察では、データや数値をもとに多角的な視点で考え、論理的に考えを組み立てることが重要です。ビジネスシーンでは論理的な説明や意見を求められることが多く、考察する能力は欠かせません。

考察には意味合いの似た言葉や言いかえ表現が多くありますので、文脈に応じて使い分けることを意識すると、言葉遣いがレベルアップします。普段から使い慣れるよう意識していきましょう。

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。