ノウハウ

ゆとり世代とは?特徴や接し方のポイント、仕事面スタイルの特徴を解説

栗田 謙人
更新日:2024/02/06

職場はさまざまな世代の方が一緒に仕事をするところです。中でも、ゆとり世代とのかかわり方に悩んでいる方がたくさんいます。ゆとり世代の方と気持ちよくコミュニケーションをとるには、ゆとり世代の背景や受けてきた教育について理解しましょう。

この記事では、ゆとり世代の特徴・時代背景を始め、適した仕事や似た世代まで幅広く解説します。ぜひ参考にしてください。

目次
  • ゆとり世代とは?
    • ゆとり世代の時代背景
    • ゆとり教育
    • ゆとり世代の特徴
  • ゆとり世代の仕事スタイルは?
    • 会社の上下関係よりも横のつながりを大切にする傾向
    • 任せた仕事は合理的、効率的に行う人が多い
    • 競争の経験が少ないために、打たれ弱い
    • ITリテラシーが高い
    • 離職率が高い
  • ゆとり世代と関係が深い世代は?
    • X世代(1965年〜1979年頃までに生まれた世代)
    • Z世代(1995年頃〜2009年頃までに生まれた世代)
  • 世代の特性を理解して優秀な人材に育てよう
■おすすめ転職サイト
                      
サイト名 特徴詳細
WARCエージェント ハイクラス×ベンチャー専門転職なら!
取引企業数900社以上
転職後平均年収880万以上
無料登録へ
キャリアインデックス(ハイクラス) 日本最大級の転職サイト
・求人数200万件以上
・有名転職サイトをまとめて利用できる
無料登録へ
ビズリーチ ハイクラス専門転職なら!
・取引企業数23,500社以上
・ヘッドハンターからスカウトが届く
無料登録へ
リクルートエージェント 業界最大数の求人数
・厳選非公開求人21万件(営業・ITなどに強い)
・書類添削や面談対策など専門コンサルタントがフルサポート
無料登録へ

※時間がない方へ・・記事を読む時間が無い方でバックオフィス系の転職を検討中の方は、まずは「WARCエージェント」に無料登録してみましょう!

ゆとり世代とは?

一般的に、ゆとり世代と呼ばれるのは1987年4月2日~2004年4月1日の間に生まれた方々です。2002年度から実施された新しい学習指導要領に基づいた学校教育を1年でも受けた世代を指します。

ゆとり教育は個性を重視する教育なので、子どもたちの人格形成に合理的な考え方・個性を大切にする・人間関係を大切にするなどの影響をもたらしました

また、ゆとり世代と重複する世代にはさとり世代があります。さとり世代は1996年~2005年に生まれた方が相当し、ゆとり教育・長引く不景気・東日本大震災など大きな自然災害に影響を受けているのが特徴です。

ゆとり世代の時代背景

ゆとり世代は、2002年度から実施されたゆとり教育の影響を受けて育ちました。ゆとり教育は、2002年度以前の詰め込み型教育に対する反省から生まれた教育方法です。1995年度生まれの方は小学校から高等学校まで12年間ゆとり教育を受けていますが、生まれた年度によっては、詰め込み教育からゆとり教育へ、ゆとり教育から脱ゆとり教育への以降を経験しています。

ゆとり世代は日本の経済が不安定になってから生まれ、不景気の中を歩んできた方が大半です。2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災など、多感な時期に自分たちではどうにもできない大きな出来事に遭遇した世代でもあります。

ゆとり教育

ゆとり教育は、知識量偏重の詰め込み教育への反省から生まれた教育法です。子どもたちが自ら考えて学ぶ力を育成し、生きる力を育ませるのを目的としていました。

ゆとり教育はそれまでの指導要領より授業量と学習量を大幅に削減されているのが特徴です。また、ゆとり教育が実施された2002年は学校の完全週休2日制が義務化された年でもあります。学校での学習量と学習量が減ったために子どもたちの学力低下を招き、結果、国際競争力まで低下させてしまいました。

ゆとり教育は上記の反省を踏まえて2008年度に一部改正され、2011年に終了します。その後、2013年までの間に学習量を増やした脱ゆとり教育へ完全移行されました。

ゆとり世代の特徴

ゆとり世代の方々は、他世代にはないよい特徴をたくさん持っています。よく言われているのは以下に挙げるようなものです。

  • 他人への思いやりが深い
  • 自分が好きなことや興味があることへの関心が非常に強い
  • 想像力や独創性が高い
  • 多様性や包括性に価値を見出す
  • 高級品よりコスパのよさや合理性を重視する
  • タブレット端末の操作に長けている
  • 環境問題に関心が高い

ゆとり世代のネガティブな特徴としては、メンタルが繊細で怒られたり注意されたりすると弱い・競争意識が低い・離職率が高いなどが挙げられます。

ゆとり世代の仕事スタイルは?

ゆとり世代の方々は、全体的にITリテラシーが高く、効率的に仕事を進めるのが得意な世代です。就職氷河期世代の方々とはまた違った仕事スタイルを持ち、企業で新人のときから企業で中堅ポジションになっている方もいるほどです。ゆとり世代の仕事スタイルを紹介します。

会社の上下関係よりも横のつながりを大切にする傾向

ゆとり世代の方々は、職場でも同期など横のつながりを重視する傾向があります。上司よりも身近な同僚から言われる方がすんなり聞き入れるのが特徴です。生き方としては、仕事もプライベートも大切にするワークライフバランスを最重視していて、残業や休日出勤はできる限り避けたいと考える方がたくさんいます。

また、ゆとり世代は会社や職場に対する愛着がドライです。意思決定を重視するゆとり教育の影響と終身雇用が崩壊してからの時代を生きてきた影響で、転職に抵抗を感じない方がほかの世代より多く見られます。

任せた仕事は合理的、効率的に行う人が多い

ゆとり世代の方々は物心がついたころからネット世界に触れています。ゆとり教育で養われた思考力も手伝って、何事も合理的で効率的に行えるのが特徴です。わからないことやこれから取り組もうとすることについてはすぐに調べ、最もコスパとタイパがよい方法で行動します。

仕事を任せると効率的にこなす方が多いのがゆとり世代のよいところです。しかし、実務においては明確な指示や判断基準をもらえないと仕事がしにくい面もあります。

競争の経験が少ないために、打たれ弱い

ゆとり世代は競争よりも協調の方が得意な方が多いのが特徴です。社員同士を競わせて切磋琢磨させようとすると、うまく成長しない面があります。上司などが注意をしたり叱ったりすると酷く傷ついてしまうので、ポジティブな言葉を混ぜる、ほめて伸ばすなどの方法で育てましょう。

基本的にゆとり世代の方々は競争心や積極性が低く、昇進や昇給にこだわらない方が多いのも事実です。他世代の方から見ると歯がゆく感じられる場合もありますが、適切な指示をそえて仕事を与えると効率よくこなしてくれるので、職場の戦力として活躍してくれる世代でもあります。

ITリテラシーが高い

ゆとり世代の方々には、パソコンやスマートフォンなどの情報機器を扱う仕事を任せるのがオススメです。ゆとり世代は幼いころから情報機器に慣れ親しんでいるので、パソコンを使った仕事を覚えるのは早い傾向があります。インターネットからの情報収集・プレゼンの資料作り・システム関係の仕事などで高い力を発揮してくれる可能性が高いのが事実です。

しかし、実際に仕事を任せるときはITリテラシーが高い世代だからと仕事だけ渡すのではなく、仕事を渡すのと同時に、してほしい仕事や作業の内容を明確に伝えるようにしましょう。

離職率が高い

ゆとり世代は離職率も転職率も高いと言われています。我慢をする力がないのではなく、終身雇用の時代を知らずに育った・2008年のリーマンショック以降に転職市場が広がった・非正規雇用の方が多いなどが主な原因です。

また、ゆとり世代の方々はインターネットやSNSでの情報収集が得意なので、現在と違う職場や職種の情報も簡単に手に入れます。

ゆとり世代は、長い下積み時代を経て成長する長年日本にあった精神文化ではなく、キャリアを重視しているのが特徴です。手に入れた情報から自分に合う仕事を選び取る力を持っています。逆に、自分のキャリア形成に役立つと思えば、長く同じ職場で働く柔軟さを持ち合わせている世代であるのも事実です。

ゆとり世代と関係が深い世代は?

ゆとり世代と関係が深い世代は、X世代とZ世代です。ゆとり世代の前後に当たる世代で、それぞれまた異なる特徴を持っています。X世代、Z世代と呼ばれているのは、ゆとり世代をY世代と呼ぶからです。それぞれの特徴を解説します。

X世代(1965年〜1979年頃までに生まれた世代)

X世代はバブル世代とも呼ばれています。団塊ジュニア世代も該当し、人口ボリュームが大きいのが特徴です。前半に生まれた方はバブル景気で仕事にも経済的にも恵まれましたが、後半に生まれた方は新卒時が就職氷河期に当たり、未だに非正規雇用などで経済的に恵まれない世代でもあります。

X世代でも後半に生まれた方は幼少期にはテレビ、成人後はパソコン・携帯電話・スマートフォンに慣れ親しんでいるのが特徴です。X世代でも前半に生まれている方は、情報機器より新聞など紙媒体から情報を得るのを得意としているケースが多いのですが、仕事でデジタル機器に触れてきたので、60代になってもスマートフォンなどでインターネットを使いこなしている方がたくさんいます。

精神的には非常にアグレッシブで柔軟性が高く、デジタルとアナログのどちらにも対応できるのが、X世代全体のよいところです。

Z世代(1995年頃〜2009年頃までに生まれた世代)

Z世代は日本の少子化が本格的になってから生まれた世代です。フルゆとり教育を受けた1995年生まれを含み、日本では人口の約12~13%を占めます。生まれたときからインターネットがある環境で育っているので、デジタルネイティブ・SNSネイティブとも呼ばれている世代です。

Z世代は自意識・発信意欲・承認欲求が強い方が多く見られます。ゆとり世代やX世代には少ない特徴で、職場でジェネレーションギャップを感じやすいのが事実です。Z世代は自分らしさを重視し、自分で考えて自分から発信するのを好みます。しかし、社会貢献への意識も強いのが特徴です。

会社や職場では、傾聴力を身に着けさせる・仕事のやり方を教えてから考えさせる・自由に意見を発信できる環境を作るなどをすると力を発揮してくれます。

世代の特性を理解して優秀な人材に育てよう

会社や職場はさまざまな世代の方が一緒に仕事をする世界です。人は生まれた時代や受けた教育の影響を受けて価値観を形成するので、世代ごとの特長をよく理解したうえで指導をするようにしましょう。

ゆとり世代の方々も素晴らしい特性をたくさん持っています。ゆとり世代ならではのITリテラシー・想像力・協調性等を生かすように育てれば、職場の優秀な戦力として活躍してくれるはずです。

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。