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渉外弁護士とは?激務になりやすい理由と年収について解説

栗田 謙人
更新日:2023/09/22

「渉外弁護士」という言葉をご存じでしょうか?

弁護士を目指している人の中には渉外弁護士という言葉を聞く機会が多いと思います。今回は「渉外弁護士ってよく聞くけど仕事内容がわからない」「普通の弁護士と何が違うの?」と渉外弁護士に対して疑問を感じている人に向けて、渉外弁護士の解説をします。

本記事を読めば、渉外弁護士の仕事の内容や平均年収、特徴について理解を深められるので、気になる方は最後まで読んで知識を深めてみてください。

目次
  • 渉外弁護士とは?
    • 渉外弁護士と国際弁護士との違い
  • 渉外弁護士の業務内容
    • 国際的な紛争解決
    • 海外への進出サポート
    • M&Aの契約や交渉
  • 渉外弁護士は激務なのか?
  • 渉外弁護士の年収
  • 渉外弁護士になるには
    • サマー・クラークへの参加がポイント
    • 司法試験の成績は関係ない
    • 英語ができる方が優遇されやすい
  • 渉外弁護士は転職エージェントを利用
    • SYNCAに相談
  • 渉外弁護士は、国際的な案件に携われる非常にやりがいがある職種
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渉外弁護士とは?

渉外弁護士とは、司法試験に上位成績で合格をした優秀な弁護士の中から採用された、弁護士業界の中でもエリートと呼ばれる優秀な弁護士のことをいいます。

渉外弁護士という定義は法律上は存在しません。渉外弁護士とはあくまで便宜上の呼称であり、一般的には外国が関わるビジネス法務をメインに扱う弁護士のことを指すことが多いです。具体的には、M&Aやライセンス契約、販売契約、供給契約などの案件を扱います。

もちろん、外国の案件だけでなく国内の案件を扱うこともあります。「アウトバウンド業務」と「インバウンド業務」があり、アウトバウンド業務は、日本企業が海外で事業を展開する際に必要とされる法務のことで、現地の国の法律が関係します。インバウンド業務は、外国企業が日本で事業展開する際に必要とされる法務です。主に日本の法律が関係してくることとなります。

渉外弁護士は、五大法律事務所や外資系の法律事務所に所属しているため、外国の案件も多いという認識をしておいてください。

渉外弁護士と国際弁護士との違い

渉外弁護士の「渉外」とは、一般的に外国を含む外部との連絡や交渉、さらにある法律事項が国内外に関連を有することとされています。

そのため、渉外弁護士は外国あるいは外国法に関係する業務を扱う弁護士を意味しています。この渉外弁護士と同じ意味で別の呼び方をされているのが「国際弁護士」です。

呼称は違いますが、渉外弁護士と国際弁護士は同じ意味合いで、国際的な案件を扱う弁護士を便宜上このように呼んでいるだけです。最近では、国際弁護士と呼ばれることのほうが増えてきており、交際弁護士と名乗る弁護士も多くなってきていますが、名乗ることは自由で自称にすぎません。

渉外弁護士の業務内容

以下では渉外弁護士の業務内容について解説をします。国際的な案件を扱う渉外弁護士だからこそ請け負っている案件の特徴があるので、参考にしてみてください。

国際的な紛争解決

国際的な紛争解決は、渉外弁護士の仕事の1つです。

海外の企業と日本企業の間でトラブルが発生した時、渉外弁護士は中間に入ってトラブルを解決する必要があります。具体的には、代金が支払われなかったり、注文した製品に問題があった場合、M&Aなど契約を結んだ際とは違った内容で進んでいるなどがあります。これらのトラブルは、国内で裁判だけでなく、海外の裁判所での裁判にも対応をする必要があります。

国際取引では、文化や習慣、商法ルールの違いからトラブルが発生しやすく、渉外弁護士はお客様に有利な立場で交渉を進めるスキルが求められます。仲裁という制度が紛争解決において活用をされますが、紛争は専門的なノウハウやスキルが求められる仕事です。

海外への進出サポート

日本の企業が、海外進出や海外に拠点を設ける場合のサポートをします。

日本企業が海外への拠点を設ける際は、渉外弁護士は現地の弁護士と協力をし、日本側の窓口として対応する役目があります。そのため、申告先の法律の理解が必須となり、渉外弁護士は日本だけでなく海外の法律にも精通している必要があります。

また、海外の企業が日本に進出するインバウンドのサポートも、渉外弁護士は行います。会社設立や人事体制の契約書の整備などを行い、日本の法律や慣行を海外企業に伝えます。

拠点を設ける場合は、現地の企業など複数名がカブシキを持ち合う抗弁になることもあるため、合弁契約のドラフト交渉が必要になる場合もあります。

M&Aの契約や交渉

渉外弁護士の業務で1番多いといわれているのが、M&Aの業務です。

M&Aとは、直訳すると企業の合弁・吸収ですが、実務では企業やビジネスの全部または一部を承継するという意味合いで使われています。少子高齢化に伴い、事業継承が注目されているため、親族以外での間で事業継承が行われる場合も、M&Aといえます。

M&Aでは、秘密保持契約や基本合意書を交わした後、対象会社についてデューディリジェンスを行います。そこで出た結果を踏まえ、株式譲渡や事業譲渡契約を交わし、交渉を行います。

M&Aの場合は、お客様であるクライアントにメリットがあるように渉外弁護士は交渉を進めていく必要があり、ミスは許されません。

渉外弁護士は激務なのか?

渉外弁護士の仕事は、企業買収や合併・提携など国際間での契約が短期間で行われます。

短期間の中で、渉外弁護士は対象国の法律を確認しながら莫大な量の契約書を入念に読み込み、問題点を探し出さなくてはいけません。短期間で、莫大な量の契約書を読み込み、さらに日本語以外の言語で書かれている内容をしっかりと理解しなくてはいけないため、渉外弁護士は激務だといえます。

また、海外とのやり取りが多いため、海外の時差に合わせた時間の会議が多く、深夜や早朝に行わなくてはいけない仕事が多く、終電での帰宅や、始発での出社をせざるを得ない日が多々あります。

案件によっては、期間が短く徹夜を含む長時間労働をしなくては結果を出すことが難しいものもあるため、常に知性と体力が要求されます。

そのため、渉外弁護士は激務です。しかし、海外とのビジネスに関わることができるため、その分やりがいが大きい仕事といえます。

渉外弁護士の年収

渉外弁護士の年収は、一般的な弁護士とは異なり1年目から高い給与を期待することができます。

初年度でも、年収が1,000万円、ボーナスを加えると1,200万円程度からスタートすることが多いです。その後、入社から3〜4年たつと、年収は1,500万円を超え、中には2,500万円〜3,000万円に届く場合もあります。

さらに昇給をすれば、3,000万円を超える年収も目指せるため、渉外弁護士の年収はかなり高いです。パートナーとして法律事務所を経営をしている人の中には、年収1億円を超える場合もあり、渉外弁護士の年収の上がり幅はかなり広いと考えておきましょう。

ただし、近年は渉外事務所のパートナーになることは難しいといわれており、パートナーになるための難易度はかなり高いです。

渉外弁護士になるには

渉外弁護士になるためには、どうすればいいかを以下では解説をします。他の弁護士と同様の司法試験への合格はもちろんですが、それ以外にも渉外弁護士になるためには必要なことがあるので、解説を参考に理解を深めてください。

サマー・クラークへの参加がポイント

大前提として、渉外案件を多く抱えているのは五大法律事務所です。そのため、渉外弁護士になる場合必然的に五大法律事務所に所属する必要があります。

五大法律事務所への就職は、司法試験の成績で上位になる優秀な人材しか入社することができません。しかし、渉外弁護士はサマー・クラークへの参加を必須としている事務所があります。

サマー・クラークとは、法科大学院生を対象とした夏期インターン制度のことをいいます。大手法律事務所を中心に採用活動の一環として、法科大学院修了年度の7月〜9月頃に5日間程度の期間で実施されています。このサマー・クラークで優秀だと認められることができると、翌年の司法試験終了後、事務所から面接に参加するようオファーがきます。面接参加後は、うまくいけば7月頃に内定が出て、晴れて五大法律事務所に入社することができます。

クラークには、予備試験の合格者を対象としたウインター・クラークもあります。2、3日という短い期間ですが、サマー・クラーク同様に事務所の業務を体験できる場であり、事務所の人に顔を覚えてもらえる機会でもあるので、積極的に応募することをおすすめします。

司法試験の成績は関係ない

渉外法律事務所の採用決定は、9月の司法試験の合格発表前に行われます。そのため、司法試験の成績は渉外事務所の採用合否に関係ありません。

ただし、仮に渉外事務所から内定が出ていても、9月に出る司法試験の合否で不合格だった場合、渉外事務所からの内定は取り消されるんので注意してください。

また、司法試験の合格発表後に2桁合格者を対象として追加募集が行われることがあります。追加募集は、サマー・クラーク経由で内定をもらった人以外を対象にしているおり、司法試験の成績優秀者を対象に行っているので、渉外事務所からの内定が出なかった場合でも、1回であきらめず追加募集に挑戦してみてください。

英語ができる方が優遇されやすい

渉外弁護士は、国際的な案件を扱います。そのため、案件に対応する際は共有言語の英語を活用する必要があり、渉外弁護士には英語力が必須です。

渉外弁護士は、短期間の限られた時間の中で英語の契約書を読解するスキルや、英語で契約書を書くライティングスキルなど、高レベルな英語力が求められます。また、相手と契約交渉ができる程の会話力も必要となるため、最低でも渉外弁護士にはTOEIC850点以上が必要だといわれています。渉外弁護士の中には、TOEICが満点という人も少なくありません。

ただ、渉外事務所が採用時点で求職者にビジネスレベルの英語力を求めることは少なく、入所した後に英語力を身につけるよう指導する事務所もあります。渉外弁護士に必要なスキルは、英語力だけではないため、英語力以外の素養もしっかりと兼ね備えているかを重視する渉外事務所が多いです。

渉外弁護士は転職エージェントを利用

弁護士として国際的な案件にかかわれる渉外弁護士になりたいならば、転職エージェントを活用して求人を探すのがおすすめです。転職エージェントを利用することで、自分だけでは見つけられなかった求人や非公開求人、さらには自分に合った事務所を担当コンサルタントがすぐに見つけ出して紹介をしてくれます。

転職エージェントを利用することで、事務所には直接言いにくい年収交渉や条件の交渉もスムーズに進めることができ、納得いく転職活動を行うことができます。

渉外弁護士は、五大法律事務所のような難易度が高い法律事務所に所属している経験や高いスキルを兼ね備えている人材が豊富です。渉外弁護士としての経験も持つ人であれば、自身の市場価値を最大限に活かした転職活動を転職エージェントがサポートしてくれます。未経験者であれば、自身の市場価値を上げるためのキャリアを担当コンサルタントと相談をしながら自分に合った転職活動の進め方を担当コンサルタントが教えてくれます。

転職のプロの目線からアドバイスをいただくことは、自分の可能性を広げるためにも効果的なので、転職エージェントの利用を検討してみてください。

SYNCAに相談

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渉外弁護士は、国際的な案件に携われる非常にやりがいがある職種

渉外弁護士の年収は初年度でも1,200万円、経験年数が5年以上になると3,000万円にも届く可能性があり、自身のキャリアアップを目指し続けられる仕事でもあります。もちろん、その分仕事は激務で、渉外事務所に就職・転職することは一般の弁護士に比べると難易度が高いですが、国際的な案件にかかわりたい方や、自分の市場価値を上げたい方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

渉外弁護士としてのキャリアを考えている人は、最後に紹介した転職サービス・SYNCAの活用も検討してみてください。担当コンサルタントと一緒に納得いくキャリアを築く第一歩を踏み出すことができるでしょう。

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。