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社労士の資格は転職に有利?求人状況や転職を成功させるポイントを解説

栗田 謙人
更新日:2023/08/28

社会保険労務士の資格は、取得難易度が高いことで有名です。難易度の高い国家資格を取得したとしても「社労士の資格は転職や就職に役に立つの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

今回の記事では社会保険労務士の仕事内容や年収、求人状況などについて解説していきます。社労士の資格や転職について気になる方は、本記事を読んで、社会保険労務士について理解しておきましょう。

目次
  • 国家資格・社会保険労務士とは?
    • 社労士になるには
    • 社労士の仕事内容
      • 1.労働社会保険の手続き(1号業務)
      • 2.法定帳簿や就業規則の作成(2号業務)
      • 3.人事労務管理のコンサルティング(3号業務)
    • 社労士の年収
  • 社労士の求人状況
  • 社労士の資格は就職には有利?
    • 社労士は企業に重要視される
    • 幅広い業界で活躍できる
  • 社労士資格を活かせる転職先
    • ①社会保険労務士事務所
    • ②企業の人事や総務課
    • ③コンサルティング会社
    • ④他士業事務所
    • ⑤独立開業
  • 社労士が転職を成功させるポイント
    • 実務経験を積む
    • ダブルライセンスの取得
    • 社労士以外のスキルをアピールする
    • 転職エージェントを利用する
  • 社労士は将来性もあり転職にも有利な資格
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国家資格・社会保険労務士とは?

社会保険労務士とは、従業員の労働関連の法律や社会保険などの専門家であり、人事や労働に関する管理を担っている人を指します。

会社の経営では人材・設備・資金が必要となりますが、そのうち人材に関する内容のプロフェッショナルが社会保険労務士です。社会保険や雇用、労働、公的年金などの分野で唯一無二の国家資格となっているため、非常に需要が高い職業だといえます。

会社の発展には人材が必要不可欠であるため、社会保険労務士は経営していく上で重要な役割を担っています。従業員の採用から退職までに関り、労働や社会保険に関する相談に応じるなどの業務を行う職業です。

社労士になるには

社会保険労務士は国家資格であるため、社会保険労務士になるためには試験を受けることが必要です。年に1回、8月下旬ごろに社会保険労務士試験が実施されています。

社会保険労務士試験に合格すればすぐに社労士を名乗れるわけではなく、試験合格後に連合会に備える社会保険労務士名簿に登録することが必要です。社会保険労務士名簿への登録には、実務経験が2年以上であるか事務指定講習の修了が必要となっています。

国家試験の内容は難易度が高く、34,845人が受験して合格者が2,237人となっており合格率は6.4%と驚異の低さです(※1)。この結果からもわかるように社会保険労務士の資格取得は難しく、貴重な存在となっています。

(※1)参考:厚生労働省「第52回社会保険労務士試験の合格者発表」

社労士の仕事内容

社会保険労務士の仕事内容は、以下のように大きく3つに分けられます。

  • 1号業務
  • 2号業務
  • 3号業務

1号業務と2号業務は社会保険労務士の独占業務であるため、社会保険労務士の資格を持つ方が行う必要があります。3号業務は、社会保険労務士である必要はないですが、資格が活かせる業務内容です。

1.労働社会保険の手続き(1号業務)

社会保険労務士の仕事内容として労働社会保険の手続きがあり、1号業務と呼ばれています。

労働社会保険とは、社会保険と労働保険を合わせたものです。社会保険には健康保険や厚生年金保険、介護保険があり、労働保険は労災保険や雇用保険のことを指します。会社で働くうえで、労働社会保険の加入は必要不可欠です。労働社会保険に加入しておくことで、けがや病気、労働災害、失業などもしもの際に給付を受けることが可能です。

社会保険労務士の仕事内容は、これらの労働社会保険に関する業務のほとんどを行っています。法令に基づいた申請書の作成から手続きまでを代行しています。

2.法定帳簿や就業規則の作成(2号業務)

法定帳簿や就業規則の作成は2号業務と呼ばれ、こちらも社会保険労務士の仕事内容です。

帳簿書類として、以下のようなものがあります。法人税に関わる内容となるため帳簿の記載と保管が義務付けられています。

  • 仕訳帳
  • 買掛金元帳
  • 売上帳
  • 現金出納帳
  • 仕入帳

帳簿書類や就業規則に関する書類などをミスがないように作成や調製することも、社会保険労務士の業務内容となります。このような法定帳簿の記載ミスがあると、罰則を受ける可能性もあるため、非常に重要な仕事です。

3.人事労務管理のコンサルティング(3号業務)

3号業務と呼ばれるものは、人事労務管理のコンサルティングなどが該当します。

人事労務管理とは、人事管理と労務管理を合わせたものです。人事管理は人材育成や評価、人材配置などの人材管理を行い、労務管理は福利厚生や給与管理、就業規則などの労働環境の改善です。

近年では働き方改革などが進められており、契約社員以外にもアルバイト・パートから派遣社員や契約社員などの多様な働き方が増えています。このような中で会社を上手く回していくためには、人材配置を工夫することが必要です。たとえば、ある部門ではアルバイト・パートしかいないとなると業務が円滑に回るのか少し不安になります。

派遣社員やアルバイト・パートと正社員の配置を工夫するアドバイスなどを行う業務も、社会保険労務士の業務内容に該当します。

社労士の年収

社会保険労務士の年収は、需要が高い職業にも関わらず、年収が低いです。

求人ボックスによると、社会保険労務士の平均年収は432万円となっています(※2)。国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると日本人の平均年収は、443万円となっています(※3)。日本人の平均年収と比較すると、社会保険労務士の方が10万円低いです。

平均年収は地域によって異なり、東京での平均年収は500万円です。日本人の平均給与を大幅に超える額となっています。そのため年収を上げたい方は東京での就職を目指してみると良いでしょう。

(※2)参考:求人ボックス 給料ナビ「社会保険労務士の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
(※3)参考:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」

社労士の求人状況

社会保険労務士の求人は、他職種と比較すると少ないです。

社労士事務所は少人数で稼働している場合が多いため、募集が少なくなっています。特に地方に行くと、社労士事務所自体が少なくなり、それに伴い求人も減少していきます。

社会保険労務士として独立しようと考えている方が多く、独立までの下積みとして社労士事務所に就職したいという方がほとんどです。そのため社労士事務所に空きが出たとなると、多くの方が応募するためすぐに埋まります。

しかし、社労士事務所を外し、一般企業を視野に入れてみると求人数は一気に増えます。社会保険労務士の資格が必要な求人だけではなく、「資格があるとさらに良い」という条件を追加すると求人募集が多いです。

このように社労士事務所の求人は少ないですが、社会保険労務士の需要は高いため一般企業にまで視野を広げると多くの求人があります。

社労士の資格は就職には有利?

社会保険労務士の資格は、転職に有利といえるでしょう。

社会保険労務士は、社労士事務所だけではなく、一般企業でも募集されている場合が多いです。さらに、社労士事務所や一般企業以外にもコンサルティング会社や他士業事務所でも必要とされており、需要が高い職業です。ここからは、社労士の資格が転職に有利な理由について紹介していきます。

社労士は企業に重要視される

社会保険労務士は、会社の経営の要となる人材に関するプロフェッショナルであるため、必要不可欠な職業です。

社会保険労務士は従業員の声をもとに労働環境の改善を行うなどで、従業員と会社の間のかけ橋となる事が可能です。そのため会社と従業員の間で発生する問題を解決する手助けを行い、会社の経営を円滑に進めるためにも大切な役割を担っています。

さらに社内に社会保険労務士がいるとなると、労働社会保険の書類作成などの1号業務を外注せずに済みます。会社にとって社会保険労務士は必要不可欠な存在であるため、社内に1人は欲しい職種です。そのため需要も高く就職の際に有利となることは間違いないでしょう。

幅広い業界で活躍できる

社会保険労務士となることで、幅広い業界や会社などで働くことが可能となります。社会保険労務士は、労働基準法や社会保険、労務関連の知識が必要であり、このような知識はどの業界でも役に立ちます。

社労士事務所以外にも、他士業の事務所や一般企業の人事部、コンサルティング会社などに転職することも可能です。弁護士事務所であれば弁護士とともに労務管理を行ったり、給与計算などを行ったりできます。人事などに関する知識を持ち合わせているため、一般企業で人事部に所属することが可能です。

また3号業務で紹介した、コンサルティングを活かしてコンサルティング会社へ転職することもできます。このように社会保険労務士は、幅広い業界で活躍することができるでしょう。

社労士資格を活かせる転職先

社会保険労務士の資格が活かせる転職先は、社労士事務所以外にもさまざまなものがあり、多くの会社で活躍できます。社労士資格が活かせる転職先として、以下が考えられます。

  • 社会保険労務士事務所
  • 企業の人事や総務課
  • コンサルティング会社
  • 他士業事務所
  • 独立開業

それぞれの転職先について、社会保険労務士が行う業務内容などについて解説していきます。

①社会保険労務士事務所

社会保険労務士事務所は、社労士の就職先として一番に思いつく方も多いでしょう。

会社や個人からの、人事や労務に関する依頼を受ける仕事がメインとなります。労働環境についてや健康保険などの社会保険に関する相談にのったり、アドバイスをしたりします。相談やアドバイスだけでなく、労働社会保険の手続きを代行するなどの業務を行うことも多いです。

一番に思いつく転職先ですが、社労士事務所の求人は少なく、就職するには難易度が高い場合が多いでしょう。勤務地域を絞らず、広範囲に探してみると求人を探しやすくなるでしょう。

②企業の人事や総務課

社会保険労務士の転職先として、一般企業の人事や総務部が挙げられます。

会社側としては社内に社会保険労務士がいると、外部にコンサルティングの依頼をする手間も省けるため、重宝されます。社会保険労務士の資格があると、優遇される場合もあるため有利に転職が可能です。

社会保険労務士の資格があることで、他の人事の方よりもできる業務範囲が広く、知識も豊富であるため大企業への転職も目指すことが可能です。しかし会社が即戦力を求めている場合には、経験年数も問われることがあるため注意しましょう。

勤務する会社に対してのみ社労士としての仕事を行う点には注意が必要です。社会保険労務士としてさまざまな業務を経験したい、多くの会社と関わりたい、という方にはおすすめできません。

③コンサルティング会社

社会保険労務士は、コンサルティング会社へ転職することも可能です。

コンサルティング会社で、人事や労務に関する相談に応じたりアドバイスをしたりする業務が可能です。たとえば、人事や労務のコスト見直しや削減を行ったり、効率的な業務を行うためのアドバイスなどがあります。

コンサルティング会社では利益をあげるために、他の会社に向けてアドバイスをすることが多く、会社の経営に携わることが可能です。一般企業へ就職する場合と比較してさまざまな会社と関わることができるため、経験を豊富にしたい方にはおすすめです。

またアドバイスなどによって、会社の利益を増やすことができれば、やりがいを感じられたり、給与の増加にもつながるでしょう。

④他士業事務所

社会保険労務士以外の士業である、弁護士や税理士などの事務所へ転職することも可能です。

弁護士や税理士は、法律や税金に関するプロフェッショナルです。社会保険労務士にも独占業務があるため、弁護士や税理士と連携し、それぞれの専門分野で活躍することができるでしょう。

他士業事務所へ転職した場合でも、ほとんどが社会保険労務士としての業務内容と同じになる場合が多いです。他士業事務所への求人もそれほど多いものではないため、転職の難易度は高いでしょう。

⑤独立開業

社会保険労務士として、独立開業をすることもできます。

社会保険労務士の事務所を開設するためには、社労士会への登録をしなければなりませんが、登録のためには2年以上の実務経験が必要とされます。

そのため社労士事務所や一般企業で社会保険労務士としての実績を積めば、その経験を活かして独立開業を目指すことも可能です。独立開業し、成功すれば年収の大幅な増加も見込めるでしょう。しかし自分で経営することとなるため、給与が安定しているとは限らないことに注意が必要です。

社労士が転職を成功させるポイント

求人が少ないことの多い職業である社会保険労務士として、転職を成功させるためのポイントを解説していきます。以下に挙げるポイントを意識して転職を行うことで、転職の成功確率をあげることができるでしょう。

  • 実務経験を積む
  • ダブルライセンスの取得
  • 社労士以外のスキルをアピールする
  • 転職エージェントを活用する

実務経験を積む

転職を成功させる確率をあげるためには、実務経験を積むことが大切です。

資格の有無よりも実務経験を重視している場合もあり、それほど実務経験が重要であるということです。人事部や総務部での経験は、社会保険労務士としてのスキルにも磨きがかかるでしょう。中途採用では、即戦力となる人材を募集していることも多いため、実務経験の有無が重要視されます。

また、実務経験で得られたスキルを、今後どのように活かすことができるかを説明できるとさらに良いでしょう。

ダブルライセンスの取得

ダブルライセンスとは、1つだけの資格ではなく複数の資格を所有することです。

社会保険労務士の資格だけで満足せず、複数の資格を所有していることで転職活動が有利になる場合は多くあります。社会保険労務士と合わせて取ると良い資格は、以下のようなものがあります。

  • ファイナンシャルプランナー
  • 行政書士
  • 中小企業診断士
  • 司法書士
  • 個人情報保護士
  • 税理士
  • キャリアコンサルタント

ダブルライセンスであれば、転職の難易度が高い社労士事務所や独立開業をする際に役立つでしょう。

ファイナンシャルプランナーや行政書士、中小企業診断士などは社労士の業務内容と重複する点もあり、その分野でより高いスキルがあることを証明できます。そのため社会保険労務士の転職に大いに役立つことが期待できるでしょう。

社労士以外のスキルをアピールする

社会保険労務士の資格以外のスキルをアピールすることで、転職に役立ちます。

前職の業界の知識や成功体験、コミュニケーション力などの経験は転職の際にアピールポイントとして活用できます。前職で営業をしていたとなれば、営業力が重宝されることも考えられるでしょう。このように営業経験など、前職で経験した業務内容が社会保険労務士の業務内容と重複する点があれば、さらに有利になります。

転職活動の際に、ぜひアピールしておきたいポイントです。

転職エージェントを利用する

社会保険労務士が転職を目指す場合には、転職エージェントを上手く活用することでスムーズに進められます。

社会保険労務士は会社の経営において重要な役割を担っているにも関わらず、弁護士や税理士などと比較すると、認知している方は少ないのが現状です。そのため社会保険労務士の資格があることを転職先にアピールしても、あまり評価されないこともあります。

このような理由から、社会保険労務士の求人を探す際には専門的分野まで対応している転職エージェントの活用がおすすめです。

社労士事務所に転職したい方は、求人が増加する時期を知ることが大切です。新入社員が入社する4月は社労士の仕事が忙しくなる時期であるため、求人は増加します。また社会保険の算定基礎届が必要となるため、7月も求人が増加する傾向があります。

社労士は将来性もあり転職にも有利な資格

社会保険労務士は、労務管理や労働社会保険などに関する唯一の国家資格であり、会社の経営を円滑に進めるために必要不可欠な存在です。そのため会社へのアドバイスなどコンサルティングを行い、会社の利益向上の役に立つことができるため、やりがいを感じることができます。

社会保険労務士の資格が必須または資格所有者を歓迎している求人も多く、どのような業界でも活躍できます。このように、社会保険労務士は将来性があり、転職を有利に進めることができる職業だといえるでしょう。

さらに転職を有利に進めたいのであれば、ファイナンシャルプランナーなどの資格も取得し、ダブルライセンスの取得がおすすめです。解説した内容を参考にしていただきつつ、転職活動を成功させましょう。

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。