ノウハウ

公認会計士の仕事内容は?年収や魅力、キャリアパスなども紹介

栗田 謙人
更新日:2024/02/06

弁護士や医師と並び、国内三大国家資格といわれている公認会計士は、社会的ステータスが高く人気な職業です。そのため、公認会計士に魅力を感じる人が多い一方で、公認会計士の仕事内容を理解できていない人が多いのではないでしょうか。

この記事では公認会計士の仕事内容を知りたい人に向けて解説します。公認会計士として活躍できる職場についても解説しているので、公認会計士を目指す人や興味がある人は参考にしてください。

目次
  • 公認会計士とは
    • 会計士と公認会計士の違い
    • 税理士と公認会計士の違い
  • 公認会計士の仕事内容
    • ①監査
    • ②税務
    • ③会計
    • ④コンサルティング
  • 公認会計士の魅力
    • 平均収入が高い
    • 社会的信用性が高い
    • 性別関係なく活躍できる
    • キャリアの幅が広い
  • 公認会計士が活躍できる職場
  • 公認会計士の平均年収
  • 公認会計士になるためには
    • 公認会計士試験に合格する
    • 実務(業務補助)
    • 実務補習と修了考査
  • 公認会計士のキャリアパス
    • 一般事業会社
    • コンサルティング系
    • CFO
    • 独立開業
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公認会計士とは

公認会計士とは、企業の監査と会計を専門分野とする国家資格を要する職業です。

もともと公認会計士は、企業経営者が株主に経営状況を報告する財務諸表の信頼性を確保するために、公正な専門家として誕生しました。今では経済活動に必要不可欠な存在として、幅広い業務を任されています。公認会計士は、医師や弁護士と並ぶ三大国家資格といわれています。そのため、社会的なステータスや年収が高く、多くの人が目指す憧れのキャリアとして人気な職業です。

参考:公認会計士とは?|資格を取得する方法や仕事内容、年収・やりがい・将来について解説

会計士と公認会計士の違い

会計士と公認会計士は、同じ「公認会計士」を意味しています。会計士という表記は、公認会計士の公認を略しているだけなので、資格や業務内容に違いはありません。

公認会計士と名乗るには、国が定めた難しい試験に合格し登録する必要があります。その後、公認会計士として、企業の会計処理、財務分析、税務申告などの専門的な業務を担えるようになります。

公認会計士も会計士、会計に関する専門知識を有している同じ資格だと、認識しておきましょう。

税理士と公認会計士の違い

税理士と公認会計士の違いは、独占業務の内容です。独占業務とは、資格取得者にしか認められていない専門性の高い業務をいいます。

たとえば、公認会計士は企業の財務諸表が正しいか確認する業務を担います。さらに、正しいことを証明するための、監査業務を独占して行えます。

一方、税理士は、企業や個人が税法に基づき適切な税金を納められるように、税務書の作成や税務代理、税務相続などの税務を独占で行います。

税理士と公認会計士、どちらかに優劣があるわけではありません。ただし、公認会計士だと、税理士業務にも従事も可能なので、どちらにも興味がある方は公認会計士を目指してみましょう。

公認会計士の仕事内容

公認会計士の主な仕事内容について解説します。専門分野でありながら、幅広い業務を任される公認会計士について、以下を参考に知識を深めてみましょう。

①監査

監査とは、決算書や財務諸表が正しいかを確認する業務のことをいいます。監査は、公認会計士の代表的な業務であり、独占業務にあたるため、公認会計士しか携われません。

上場企業では、投資家に対し財務諸表を公開します。しかし、この内容が本当に正しいかを経営者自身が証明することはできないです。そこで、第三者である公認会計士が内容を検証し、財務諸表の情報が正しいことを担保する重要な役目を担っています。

主に監査には「法定監査」と「任意監査」があります。法定監査は法令や法令によって定められている監査、任意監査はそのほかの監査と覚えておきましょう。

②税務

公認会計士は、税務の業務も担います。内容は、税務の代行業務と税務に関する相談です。

税務の代行業務では、中小企業の経営者や個人事業主に代わって、消費税や法人税など、税に関わる申告書類の作成を行います。業務を行うために、公認会計士には会計知識が求められます。

クライアントが抱える税の相談は「記帳方法がわからない」「節税対策をしたい」「税金が上がった理由を知りたい」などさまざまです。これらの悩みに対し、公認会計士は書類や帳簿から状況を判断し、適切なサポートを行います。

そのほかにも、会計書類の確認や修正を行うことが多いです。記帳に不安を抱えているクライアントに対して、公認会計士が確認をし適切な記帳方法を伝授、税務や会計に関する業務も公認会計士が担います。

③会計

公認会計士は、企業の組織内で会計のスペシャリストとして活躍します。

一般企業や教育機関、地方公共団体や非営利団体では、組織内に財務部門や会計部門を設けていることが多いです。その中で公認会計士は、経理業務や財務業務を担当します。

幅広い知識や知見を活かしながら、精度の高い会計処理を行う重要な役目を公認会計士は任されているのです。特に、企業規模が大きくなればなるほど、企業の会計や財務は複雑化していきます。

この複雑化した会計を、会計のスペシャリストである公認会計士が担うことで、効率的に進められます。また、企業や組織が取り組むプロジェクトに参加し、財政面での管理も公認会計士の仕事です。

④コンサルティング

公認会計士は、経営の課題を解決するコンサルタント業務も担います。

具体的には以下のような経営課題に対し、最適な解決策の提案です。

  • 企業の経営戦略や長期経営計画
  • 企業再生計画の策定
  • 株価の知的財産の評価

企業は、将来に向け利益拡大を目指します。その際、長期的な計画や戦略が必要ですが、自社の目線だけで適切な計画を立てることが難しいです。そこで、第三者目線から適切なサポートや意見を受けるために、公認会計士が必要になるのです。

公認会計士は会計の専門家として、どのような資金繰りをすべきか、企業の経営状況を分析しながらアドバイスします。

さらに、企業の業績が悪化している際は、財政状況を整理しながら再生計画の提案も行います。専門知識があるからこそ、その知識を活かしながら企業の経営をサポートする役目を任される職業です。

公認会計士の魅力

多くの人が目指している公認会計士ですが、具体的な魅力を知りたい人は多いのではないでしょうか。以下では公認会計士の魅力について解説します。魅力を知れば公認会計士へのモチベーションが上がるので、参考にしてください。

平均収入が高い

公認会計士の魅力でかかせないのが、平均収入の高さです。

公認会計士の平均年収は、746万円(※1)です。公認会計士になった初年度は500万円程度の年収からスタートし、キャリアを積んでいくと1,500万円以上になるケースもあります。公認会計士の中には、5,000万円以上の高年収を得ている人もいるため、かなり年収が高いといえます。

公認会計士は、会計や経理業務だけでなく、コンサルティングなど幅広いフィールドで活躍できます。そのため、キャリアアップの可能性が無数にあり、高い年収を狙える職業でしょう。

年収が高い分、責任が大きい職業です。自分で得た知識を、公認会計士として活用しながら、的確な判断やアドバイスが求められる職業だと認識しておいてください。ただし、業務の責任は大きいですが、専門性の高いスキルを活かして高収入を得たい方にとって魅力的な職だといえます。

(※1)参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2022年版)」

社会的信用性が高い

公認会計士の資格は、非常に難易度が高いため、社会からの信頼が高いです。

公認会計士は、弁護士と医師に続く三大国家資格の一つといわれています。そのため、合格するのに莫大な勉強時間がかかり、限られた人しかなれない職業です。この限られた人材である公認会計士に対し、多くの人が信頼を置きます。

さらに、経済界では公認会計士が持つ専門的なスキルや知識が評価され、最高峰の国家資格と認識されています。特に、公認会計士の中心の業務といえる監査業務は、公認会計士だけが担える独占業務であり、希少価値が高いです。

資格取得後には、税理士や行政書士として働くこともできるため、社会的信用性がかなり高く、魅力的な職業でしょう。

性別関係なく活躍できる

公認会計士は、女性も活躍しやすい職業です。

現在は、男女平等といわれ女性の社会進出も加速していますが、まだまだ男女格差がある業界があります。しかし、公認会計士は能力がある人が活躍できる業界であり、公認会計士試験に合格した女性であれば、存分に能力を発揮しながら活躍できます。

公認会計士であれば、給与などの待遇で男女差もありません。そのため、男性と同等の給与や環境で平等に働けます。

また、公認会計士の資格があれば生涯活躍できるため、出産や育児を機に一時的に業務を離れる期間があっても復帰がしやすいです。

キャリアもプライベートも両立して楽しみたい人にはおすすめの職業といえるでしょう。

キャリアの幅が広い

公認会計士の魅力には、活躍できるフィールドが広い点もあげられます。

公認会計士の業務には、監査や税務、コンサルティングや会計など幅広い業務があります。監査法人で大企業に携わることや、一般企業で社内会計の責任者を任される可能性があります。そのほかにも、コンサルティング会社で企業経営のサポートや独立開業で税務を担当するなど、挑戦の幅が広いです。

このように、公認会計士はさまざまなフィールドで活躍できる職業です。

会計は、国内外問わず必要とされているため、一定の業務や場所に縛られることなく経験を積みたい人にとって、公認会計士は魅力的だといえるでしょう。

公認会計士が活躍できる職場

公認会計士が活躍できる職場は幅広いです。その中でも、主な職場としてあげられるのが「監査法人」「会計事務所」「コンサルティングファーム」の3つです。

多くの人が公認会計士試験に合格した後、最初に就職するのが、監査法人です。監査法人では、公認会計士法に基づいた会計監査を行います。会計監査とは、企業が作成した決算書が正しいかを確認する業務です。

ほかには、会計事務所で活躍する公認会計士も多いです。会計事務所での主な業務は、税務申告や経理処理の代行を担います。

コンサルティングファームでは、企業が持つ経営課題や今後の事業計画に対してアドバイスを行い、企業経営をサポートする業務が基本です。

このように、専門知識が豊富な公認会計士だからこそ担える業務が多く、活躍できる職場は多いです。

公認会計士の平均年収

公認会計士の平均年収は、746万円(※2)といわれています。日本の平均年収は433万円(※3)のため、公認会計士の年収は平均よりも300万以上高いことがわかります。

さらに、公認会計士はあらゆる業務を担えるため、働く場所や環境によっては2,000万円や3,000万円など、高収入の人も多いです。

一般的な監査法人の役職ごとの年収例は以下になります(※2)。

  • スタッフ(入社直後): 500万円
  • シニア(入社3~4年): 700万円
  • マネージャー(入社8年): 900万円~1,000万円
  • パートナー(入社15年): 1,500万円以上

監査法人は、コツコツと実績を積むことで最短で入社8年目あたりで年収1,000万円を目指すことが可能です。

(※2)参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2022年版)」
(※3)参考:国税庁「民間給与実態統計調査」

公認会計士になるためには

難易度が高い公認会計士になるために必要なことを解説します。今から公認会計士を目指す人や公認会計士に興味がある人は、内容を参考に準備してみてください。

公認会計士試験に合格する

公認会計士になるには、国家資格である公認会計士試験に合格しなくてはいけません。公認会計士試験は、公認会計士としての十分な知識や応用力を持ち合わせているかを判断する試験です。

試験には3つのステップがあります。

  1. 短答式試験
  2. 論文式試験
  3. 実務経験を活かした公認会計士に登録

まずは短答式試験に合格をすることが、公認会計士になるための初歩です。しかし、短答式試験の合格率は10%(※4)といわれており、難易度がかなり高い試験になります。短答式試験の内容は4つの科目があり、マークシート回答で1日で行われます。

次が、論文式試験です。論文式試験は3日間にわたって試験を実施します。選択科目が用意されているため合格率は30%(※4)です。応用力が試される試験なのでこちらも難易度は高いです。

これらの試験に合格後、3年以上実務経験を積んだのち、登録をし正式に公認会計士になれます。

(※4)参考:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験過去の試験結果等」

実務(業務補助)

実務は、2年間の経験が必要です。監査法人や企業の会計部門などに就職をして経験を積むのが一般的でしょう。

実務を積むタイミングは、公認会計士試験合格前後は問いません。そのため、公認会計士試験の勉強を行いながら、実務経験を積む人も多いです。

実務とは、金融機関や国税局、自治体などで、法令で定められた要件を満たす業務のことをいいます。業務内容や勤務状況により実務の要件を満たさない可能性があるので注意してください。

実務補習と修了考査

実務務補習では原則として3年間、実務補習所という教育機関に通って必要な単位を取得することが必須です。その後、修了考査の受験資格が与えられ、修了考査に合格すると公認会計士資格が付与されます。

実務補助所の講習は、平日の夜や土日に受講ができます。現在はe-ランニングの導入もあり、自宅にいながら講習を受けることも可能です。実務補助所は、監査法人の繁忙期である4月と5月はお休みなので注意してください。

実務補助所では、入所料15,000円と補助料金255,000円で合計270,000円の費用が掛かります。監査法人に就職をしていれば、監査法人から費用に対する補助がでることが多いです。

実務補習所の修了には以下の要件があります。

実務補習所修了の要件

  1. 講義を受けて3年間で270単位以上を取得する。
  2. 全10回(監査・会計分野8回、税務分野2回)の考査の平均点が60点以上である。
  3. 全6回の課題研究の平均点が60点以上である。
  4. 修了考査に合格する。

これらの要件を満たさないと修了できず、追試があるので注意してください。

公認会計士のキャリアパス

最後に公認会計士のキャリアパスについて解説します。公認会計士を目指している人は、以下の説明を参考に自身のキャリアについて考えてみてください。

一般事業会社

公認会計士の専門知識は一般事業会社においてとても役に立ちます。実際に、監査法人から一般事業会社に転職をする公認会計士の方は非常に多いです。

公認会計士が一般事業会社において任される業務は以下のようなものがあります。

  • 高度な決算業務
  • 経営企画
  • 内部監査

公認会計士だからこそ持っている広く深い会計知識を活かすことで、一般事業会社で活躍できます。キャリアの一つとして参考にしてみてください。

コンサルティング系

コンサルティング会社でも、公認会計士の知識やスキルを活かせます。

公認会計士の専門知識や監査経験で得たスキルは、コンサルティング会社でクライアントの課題を解決する際に必要です。クライアントが抱える課題や悩みに対し、公認会計士はこれまでの知見を活かしながら、的確なアドバイスで問題解決をしていきます。

コンサルティング会社ではクライアントと会話をすることが多いので、高いコミュニケーション能力が求められます。

クライアントと深く接しながら、課題解決をサポートしたいと考えている人には向いているキャリアでしょう。

CFO

公認会計士は、ベンチャー企業やスタートアップ企業のCFOとして大変人気な職業です。

理由は以下のようなものがあります。

  • 財務や経理について知識が必要なため
  • 経営管理に関する知識が必要なため
  • IPOやM&Aを実施する機会が多いため

CFOの業務は、財務や経理など会計知識が必要なため、会計のスペシャリストといわれる公認会計士の需要はかなり高いです。

公認会計士がベンチャー企業等に入社した場合は、資金調達や財務戦略の立案・実行、IPOの準備等を任されることが多く、それらの業務に興味がある人は検討してみましょう。

独立開業

公認会計士のキャリアとして、独立開業をする人も多いです。公認会計士は、信頼性が高く、広く深い専門知識を要しているため独立開業をしやすい職業だといえるでしょう。

公認会計士の資格取得前から、将来の独立開業を目指している人も多いです。公認会計士の独立開業には以下のような業務内容があるので参考にしてみてください。

  • コンサルティング
  • 税務関連業務
  • 監査法人での非常勤勤務
  • 会計知識を活かしたセミナー業務
  • アドバイザリー業務

公認会計士を目指し、市場価値の高い人材へ

公認会計士は、信頼度が高く社会的なステータスもある職業です。監査業務や税務、コンサルティングなど幅広い業務を任される公認会計士になることで、自身の市場価値を高められます。その結果、将来のキャリアパスの幅が広がり、CFOや開業、年収アップを狙える職業です。

今回の記事を読んで少しでも公認会計士に興味を持った方は、公認会計士のキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。公認会計士になって、自身のキャリアパスの幅を広げながら市場価値の高い人材を目指してください。

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。