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ビジネス実務法務検定の難易度は?取得するメリットや学習方法を解説

更新日:2023/11/09

ビジネス実務法務検定とは、名前のとおり実務レベルの法的知識を取得するための資格です。東証商工会議所が主催している公的資格であり、ビジネスにつながる幅広い知識を身につけられます。

本記事では、このビジネス実務法務検定について基本知識や取得メリットについて解説します。これからビジネス実務法務検定を受けてみようと考えている方や興味がある方は、最後まで記事を読んで理解を深めてみてください。

目次
  • ビジネス実務法務検定の難易度や受験方法
    • ビジネス実務法務検定3級の合格基準
    • ビジネス実務法務検定2級の合格基準
    • ビジネス実務法務検定1級の合格基準
    • 受験方法はCBT方式とIBT方式
  • ビジネス実務法務検定の各級におすすめの対象者
    • ビジネス実務法務検定3級:社内でのキャリアアップや転職でのキャリアチェンジを考えている人
    • ビジネス実務法務検定2級:管理部門で実務を行う担当者
    • ビジネス実務法務検定1級:業務上の法務知識全般が身に付きリスク管理者や士業
  • ビジネス実務法務検定を取得するメリット
    • 法律知識への理解を深められる
    • 就職活動や昇進・昇給(キャリアアップ)に有利となる
    • 企業内でのリスクマネジメントのスキルがつく
  • ビジネス実務法務検定|おすすめの勉強法
    • 独学|参考書や過去問を解く
    • 通信講座を利用する
    • スマホアプリを利用する
  • ビジネス実務法務検定は効率よく勉強して合格を目指せる
■おすすめ転職サイト
                      
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ビジネス実務法務検定の難易度や受験方法

まずは、ビジネス実務法務検定の合格基準や受験方法について解説します。自分が何級を受けるべきか参考にしてみてください。

ビジネス実務法務検定3級の合格基準

3級の合格率は、毎年75〜85%(※1)と比較的受かりやすいです。

試験の合格基準は、100点満点中70点以上が定められています。試験の制限時間は90分で、出題内容は以下のようなものがあります。

【出題項目】

  • ビジネス実務法務検定の法体系
  • 企業取引の法務
  • 債権の管理と回収
  • 企業財産の管理と法律
  • 企業活動に関する法規制
  • 企業と会社の仕組み
  • 企業と従業員の関係
  • ビジネスに関連する家族法

基礎的な内容が多いため、法務担当者だけに限らず社会人全般を対象とした試験内容になっています。そのため、基本的な法律の知識を身につけたいという方にはおすすめの級です。

ただし、最低勉強時間は45〜60時間は必要といわれています。1日2時間勉強しても、1か月は必要になるため、勉強スケジュールをしっかり立てて、学習するようにしましょう。

(※1)参考:東京商工会議所「ビジネス実務法検定試験」

ビジネス実務法務検定2級の合格基準

2級の合格率は、毎年40〜50%(※2)です。3級より難易度が上がるため、勉強時間の確保は必ずしましょう。

合格基準は、3級同様で100点満点中70点以上です。3級よりも出題内容が専門的なものになるため、法律に関する実務や勉強をしてきた方を対象にした級といわれています。

以下2級の出題内容です。

【出題項目】

  • 企業取引の法務
  • 債権の管理と回収
  • 企業活動に関する法規制
  • 株式会社の組織と運営
  • 企業と従業員の関係
  • 紛争の解決方法
  • 国際法務(渉外法務)

2級の試験時間は90分で多肢択一式の試験で実施されます。試験内容は、コンプライアンスの基礎となる実務的な法律内容を問う内容です。

勉強時間は、60〜90時間は必要といわれています。1日に2時間勉強すると考えても、1か月半程度は必要です。時間がなかなか取れない社会人だと、1日1時間の勉強でも2〜3か月は必要になるので、計画的に学習を進めるようにしてください。

(※2)参考:東京商工会議所「ビジネス実務法検定試験」

ビジネス実務法務検定1級の合格基準

1級の合格率は、10〜20%(※3)と極めて低いです。1級受験者の多くは、2級までの法律知識をしっかり学んできた方ですが、2級までの知識を持っていたとしても合格率はかなり低くなります。

1級の試験内容は、以下の項目です。

【出題項目】

①共通問題(2問必須)
  - 民法・商法・会社法を中心に、全業種に共通して発生することが考えられる法律実務問題
  - 選択問題(4問中2問選択)

②特定の業種に関連する一定の法律をクローズアップして出題
 以下のような内容から2問選択する。
  - 取引上のトラブルを処理
  - 取引関係に立たない第三者とのトラブルを処理
  - 法務関係の上司や弁護士などの専門家に法的トラブルの顛末・処理方法を報告
  - 予防法務的観点からトラブルになりそうな問題に対応

1級は、共通問題2問と選択問題2問で構成されています。試験の制限時間はそれぞれ90分で合計3時間です。解答方式は論述式であるため、多肢択一式だった2級までの試験に比べると難易度が高いです。

1級は、試験内容が多いため200点中140点以上が合格基準として定められています。

勉強時間は、200〜250時間は必要といわれているため、法務に携わっている役職者や専門の方向けの試験だと認識しておきましょう。

(※3)参考:東京商工会議所「ビジネス実務法検定試験」

受験方法はCBT方式とIBT方式

ビジネス実務法務検定は、CBT方式とIBT方式の2つの受験方法で行われます。以下、2つの違いについてです。

【CBT方式】

  • 受験可能な級:3級・2級・1級
  • 受験方法:全国指定のテストセンターに備え付けのパソコンで受験
  • 試験日:3級・2級/試験期間内であれば選択が可能
    1級/所定の試験日
  • 追加費用:2,200円

【IBT方式】

  • 受験可能な級:3級・2級
  • 受験方法:手持ちのパソコン
  • 試験日:試験期間内で選択可能
  • 追加費用:なし

パソコンを持っている方は、2級までならIBT方式で自宅で受験可能です。静かな空間や、使い慣れたパソコンで試験を受けたい方は、IBT方式で受験するようにしましょう。

1級を受験したい方は、CBT方式でのみ受験可能です。IBT方式では受験ができないので注意してください。

CBT方式であれば、テストセンターで受験できるため、ネットワークの不備や急なパソコンのトラブルを心配することなく、試験に集中して臨むことができます。

ビジネス実務法務検定の各級におすすめの対象者

ビジネス実務法務検定は、実務の質を高めてスキルアップしたい方におすすめの資格です。就職前に企業活動について学びたい学生や、企業の管理職、総務や法務、コンプライアンス担当者や、弁護士などあらゆる方にとって活かせる内容が詰まっています。

以下では、知識レベル別におすすめの級を紹介します。自分のレベルに合う級を受験してみましょう。

ビジネス実務法務検定3級:社内でのキャリアアップや転職でのキャリアチェンジを考えている人

3級は、ビジネス実務法務検定の中でも難易度が1番低いため、社会人全般や学生におすすめの級です。

学生であれば、社会人になる前にビジネスの基礎を学んでおきたいと考える方、法律に少しだけ興味がある方は受験してみましょう。また、社会人であれば法律に少し興味がある方やこれから法務などの法律関係の仕事を任される方におすすめです。

「3級の知識だけでは少し物足りないけど、いきなり2級を受けるのは不安」という方は、3級と2級同時に受験してみるのもいいでしょう。自分の知識に自信がある方は、併願受験を利用し、積極的に上の級を目指してください。

ビジネス実務法務検定2級:管理部門で実務を行う担当者

転職活動や就職で活かしたいのであれば、2級を受験するようにしましょう。

ビジネス実務法務検定がビジネスの実際の場面で活かせるのは、2級レベルの知識といわれています。また、2級は行政書士や司法書士などの法律系国家資格よりは難易度が低いため、法務実務に活かせる知識が欲しいと考えている方にはおすすめです。

2級は、3級の知識に加え実務経験で得た一定知識を持っているほど合格しやすくなります。そのため、社会人や管理職など、管理部門専門の方が多く受験します。ただし、受験資格はないので、実務経験がない方でも積極的に受験してみてみましょう。

2級をいきなり受けるのは不安という方は、3級から挑戦するのもおすすめです。

ビジネス実務法務検定1級:業務上の法務知識全般が身に付きリスク管理者や士業

ビジネス実務法務検定で、最も難易度が高いといわれている級が1級です。一般的に、1級は法務部門の責任者など、実務経験がある役職者が受験します。

国家試験に匹敵するほど難しいといわれている1級は、実務経験や法務系の業務に特化した専門家でないと合格は難しいです。

ただし、1級に合格をすると、社内で重要な役職につけたり、高い地位を築けるため、キャリアアップや昇給を狙う方は、積極的に挑戦してみましょう。

1級合格には、200時間以上の勉強時間が必要といわれています。挑戦する方は、それなりの覚悟を持って勉強時間を確保しましょう。社会人であれば、忙しい日々のスケジュールの中でしっかりと勉強時間を確保できるか確認した上で、学習スケジュールを立ててください。

ビジネス実務法務検定を取得するメリット

以下では、ビジネス実務法務検定を取得するメリットについて具体的に解説します。ビジネス実務法務検定を受験するか悩んでいる方は、メリットを読んで受験を検討してみましょう。

法律知識への理解を深められる

ビジネス実務法務検定では、法律に関する知識を身につけることができます。

社会人として、企業経営や顧客対応、社内対応やコンプライアンスなどあらゆる面で、法律は必要不可欠です。そのため、ビジネス実務法務検定で法律について知識をつけておけば、さまざまな場面で知識を活かすことができます。

知識を持っていると、上司や同僚から信頼を得て仕事を受けやすいです。今まで携わる機会がなかった仕事にも挑戦するチャンスが訪れます。挑戦機会が増えれば、自分の活躍の場を広げ、自信につなげることができるので、積極的に受験してみましょう。

また、いざというとき自分自身を助ける手段としても法律の知識は活用できます。

このように法律の知識を学ぶメリットはたくさんあるので、法律の知識は積極的に学ぶようにしましょう。

就職活動や昇進・昇給(キャリアアップ)に有利となる

ビジネス実務法務検定を保有していれば、法律の知識があることを証明する手段になります。そのため、転職活動や就職活動の際、自分のスキルとして活用できます。

企業にとって、昨今コンプライアンスは重要な企業課題です。企業は、法律に関する一定知識を有した候補者がいれば、そのスキルを欲しがります。これから転職活動を考えている方や法務に教務がある方は、このような企業の需要を理解した上で、積極的にビジネス実務法務検定を受験してみてみましょう。

また、キャリアアップにもつなげられます。法務であれば、ビジネス実務法務検定を勉強し、実務に活きる知識を学んでスキルアップが可能です。法務以外の場合、これまで自分が携わることがなかった業務を任される機会を増やせます。業務の幅が増えれば、スキルアップやキャリアアップにつながるのでおすすめです。

企業内でのリスクマネジメントのスキルがつく

ビジネス実務法務検定を勉強すれば、法律の知識が身につきます。その結果、あらゆる場面で活用できるリスクマネジメントスキルを習得できるでしょう。

企業に所属していると、様々なリスクが予測されます。突然のトラブルやリスクに対し、法律の知識がないと焦ってしまい、間違った対応をしかねません。しかし、ビジネス実務法務検定を勉強しておけば、法律に対しての一定知識を身につけることができるため、いざというときのリスクマネジメントが可能です。

法律の知識は自分の身を守るのはもちろん、企業経営を守ることもできるため、企業で活躍する人材になることができます。

特に、役職がある人はリスクマネジメントは必須です。いざというときのために、事前にビジネス実務法検定を勉強して、法律の知識を身につけておきましょう。

ビジネス実務法務検定|おすすめの勉強法

ここまで、ビジネス実務法務検定のメリットや難易度について解説してきました。

メリットを知りさらにビジネス実務法務検定に興味を持った方に向け、最後はビジネス実務法務検定の勉強の方法について解説します。

以下で紹介している勉強方法を参考に、効率的に勉強しビジネス実務法務検定合格を目指してみましょう。

独学|参考書や過去問を解く

ビジネス実務法務検定は、3級や2級であれば独学でも合格を狙えます。

独学で勉強する場合は、テキストや過去問を活用して勉強してみましょう。

以下ビジネス実務法務検定の級別おすすめのテキストです。

【2級】

  • ビジネス実務法務検定試験®︎2級公式テキスト 2022年度版(※2)
  • ビジネス実務法務検定試験®︎2級公式問題集 2022年度版(※3)
  • 法務教科書 ビジネス実務法務検定試験®︎2級 完全合格テキスト 2022年版(※4)
  • 法務教科書 ビジネス実務法務検定試験®︎2級 精選問題集 2022年版(※5)

【3級】

  • ビジネス実務法務検定試験®︎3級公式テキスト 2022年度版(※6)
  • ビジネス実務法務検定試験®︎3級公式問題集 2022年度版(※7)
  • ビジネス実務法務検定試験®︎3級 テキストいらずの問題集 2022年版(※8)

これらのテキストは本の一部であり、このほかにもたくさんのテキストが販売されています。

出版社によってテキストの解説内容が違ったり、テキストと問題集が別売りになっていたりと、特長はさまざまです。いくつかのテキストを比較しながら、自分が勉強しやすいテキストを見つけるようにしましょう。

(※2)参考:東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験®︎2級公式テキスト 2022年度版」
(※3)参考:東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験®︎2級公式問題集 2022年度版」
(※4)参考:翔泳社「法務教科書 ビジネス実務法務検定試験®︎2級 完全合格テキスト 2022年版」
(※5)参考:翔泳社「法務教科書 ビジネス実務法務検定試験®︎2級 精選問題集 2022年版」(※6)参考:東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験®︎3級公式テキスト 2022年度版」
(※7)参考:東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験®︎3級公式問題集 2022年度版」
(※8)参考:翔泳社「ビジネス実務法務検定試験®︎3級 テキストいらずの問題集 2022年版」

通信講座を利用する

ビジネス実務法務検定の勉強には、通信講座の利用も検討してみましょう。

通信講座のメリットは、好きな時に好きな場所で勉強できる点です。例えば、電車で移動中に時間があればスマホやタブレットで動画を見ながら学習ができます。

通信講座の中には、動画配信機能で自宅にいながらオンラインで講師の授業を受けられ、講義終了後にはチャットやメールで質問ができるものもあります。

2級と3級両方受験する人向けの、併願コースなども用意されているため、自分の目指す級に合った勉強方法を見つけてみましょう。

料金はかかりますが、独学では不安と感じる方は、まずは通信講座から始めてみてください。

スマホアプリを利用する

ビジネス実務法務検定の勉強は、スマホアプリでも可能です。

スマホアプリでの勉強は、隙間時間に勉強でき、教材を持ち歩く必要もありません。そのため、忙しい社会人や遅くまでバイトをしている学生にとって、おすすめの勉強方法です。

スマホアプリでの勉強には「ビジネス実務法務3級 試験問題対策 アプリ-オンスク.JP」(※9)というものがあります。ビジネス実務法務3級 試験問題対策 アプリ-オンスク.JPはオンラインスクール配信アプリとしてビジネス実務法務検定を目指している人に幅広く活用されています。

口コミには、「問題演習 初級編を無料で提供!しかも、アプリならではの便利な機能が満載!」「オリエンテーション・入門講義ムービーがスマホ上で無料視聴できます!」など、好評な意見が多いのが特徴です。

無料でダウンロードできるので、気になる方は活用してみましょう。

(※9)参考:ビジネス実務法務検定3級試験問題対策 アプリ-オンスク.JP

ビジネス実務法務検定は効率よく勉強して合格を目指せる

ビジネス実務法務検定には、1級・2級・3級と3つの級があります。3級と2級であれば、書学者でも独学や通信講座で勉強すれば合格を目指せます。ビジネス実務法務検定の1級は難易度が高く、合格するために勉強時間をしっかり確保するようにしましょう。

ビジネス実務法務検定を取得して、法律知識を身につけたいという方は、まずは3級からチャレンジしてみてください。独学や通信講座を利用して効率よく勉強をすれば合格できるでしょう。