ノウハウ

司法試験の難易度は高い?|短期で合格するための方法と合格後の流れを解説!

栗田 謙人
更新日:2023/10/23

司法試験は最も難しい資格試験の1つとして知られています。難易度だけでなく、合格後に就くことのできる職業からも高い社会的評価のある試験と言えるでしょう。

しかし司法試験の具体的な内容は意外に知られていません。また難易度や、働きながら取得を目指せるのかもよくわからないのではないでしょうか。この記事では、司法試験の概要をまとめます。受験を検討している方はぜひご一読ください。

目次
  • 司法試験とは
    • 司法試験の日程
    • 司法試験の受験資格
    • 司法試験の試験科目
    • 司法試験の難易度
      • 他試験との比較
  • 司法試験を短期で合格するためのポイント
    • 予備試験対策をしっかり活用する
    • 早い段階から問題を解く学習に取り掛かる
    • 隙間時間を有効活用する
  • 司法試験に合格した後の流れ
    • 司法修習を受ける
    • 就職先を見つける
  • 司法試験合格後の進路探しはSYNCAがおすすめ
  • まとめ
■おすすめ転職サイト
                      
サイト名 特徴詳細
WARCエージェント ハイクラス×ベンチャー専門転職なら!
取引企業数900社以上
転職後平均年収880万以上
無料登録へ
キャリアインデックス(ハイクラス) 日本最大級の転職サイト
・求人数200万件以上
・有名転職サイトをまとめて利用できる
無料登録へ
ビズリーチ ハイクラス専門転職なら!
・取引企業数23,500社以上
・ヘッドハンターからスカウトが届く
無料登録へ
リクルートエージェント 業界最大数の求人数
・厳選非公開求人21万件(営業・ITなどに強い)
・書類添削や面談対策など専門コンサルタントがフルサポート
無料登録へ

※時間がない方へ・・記事を読む時間が無い方でバックオフィス系の転職を検討中の方は、まずは「WARCエージェント」に無料登録してみましょう!

司法試験とは

司法試験とは、裁判官・検察官・弁護士のいずれかになろうという人が職務に必要な知識・応用能力を有しているかどうかを判定する試験です。上記3つの職務に就くためには必須の国家試験で、難易度が最も高い試験の1つとなっています。

仕事の内容を考えると、正義感のある人にこそ目指してほしい資格です。しかし生活のことを考えた場合も、合格することができればチャレンジに見合ったリターンが得られる資格だと言えます。難易度は高いものの一度取得した資格は生涯有効でもあります。

では、一体どんな人が司法試験を受験できるのでしょうか?また日程や試験内容はどうなっているのでしょう?以下、試験の具体的な内容についてまとめます。

司法試験の日程

司法試験は例年5月中旬に行われていましたが、2023年度より7月中旬の実施・11月下旬の発表に日程が変更されます。最新の情報を確認する必要があります。ご注意ください。

試験は中1日を挟んだ5日間で行われます。 
受験地は全国に7か所あります。以下の通りです。

  • 札幌市
  • 仙台市
  • 東京都
  • 名古屋市
  • 大阪市
  • 広島市
  • 福岡市

願書は、法科大学院・郵送・法務省などで交付されます。願書の提出方法は郵送(書留)のみで、法務省の司法試験委員会宛に送付します。

司法試験の受験資格

司法試験の受験資格についてまとめます。

【司法試験の受験資格】

  • 法科大学院課程の修了者及び司法試験予備試験の合格者

受験資格は上記の通り限られています。時間をかけられるのなら、法科大学院の方がじっくり準備することが可能です。働きながら弁護士を目指す場合や最短での合格を目指す場合は、予備試験に合格して受験資格を得ることになります。

なお司法試験の受験料は28,000円となっています。参考までに、予備試験の受験料は17,500円です。いずれも受験申込書に収入印紙を貼り付けて支払います。現金などほかの方法では支払いすることができません。

司法試験の試験科目

司法試験は、短答式と論文の2つの試験があります。短答式で合格点に達すると論文も採点され合否が判定されます。それぞれの受験科目は次の通りです。

【短答式の科目】

  • 憲法
  • 民法
  • 刑法

【論文式の科目】

  • 公民系科目
  • 民事系科目
  • 刑事系科目
  • 選択科目(倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法の中から1科目)

短答式は上記3科目、論文式は4科目です。論文式の科目の詳細を示します。

  • 公民系科目…憲法・行政法
  • 民事系科目…民法・商法・民事訴訟法
  • 刑事系科目…刑法・刑事訴訟法

各科目の問題数と配点は次の通りです。

【短答式の問題数と配点】

  • 憲法…20問程度/50点
  • 刑法…20問程度/50点
  • 民法…36問程度/75点

【論文式の問題数と配点】

  • 公法系…2問/200点
  • 刑事系…2問/200点
  • 民事系…3問/300点
  • 選択…2問/100点

なお1科目でも最低ラインに達していない科目がある場合は不合格となります。

司法試験の難易度

次に司法試験の難易度を見てみましょう。まず合格率を確認します。2019~2021年の3年間の合格率は次のようになっています。

【司法試験の合格率】

実施年 合格率
2019年 33.63%
2020年 39.16%
2021年 41.5%

上記3年間では、30~40%の間を推移し2020年・2021年では40%前後になっています。しかし2019年以前ではほとんど30%を切っています。2014年の22.6%・2016年の22.9%など、20%台前半も珍しくありませんでした。それを考慮すると、近年では合格率が上昇傾向にあると言えます。

他試験との比較

司法試験とよく比較されるほかの試験の合格率を見てみましょう。

2019年 2020年 2021年
司法書士 4.39% 5.17% 5.14%
税理士 18.1% 20.3% 18.8%
医師 89.0% 92.1% 91.4%
公認会計士 10.7% 10.1% 9.6%
簿記検定1級※ 8.5%/9.8% 13.5% 7.9%/9.8%/10.2%

※2019年は2回、2020年は1回、2021年は3回実施

合格率だけ見ると司法試験はほかの資格よりも高くなっていますが、これには理由があります。司法試験は医師と同様に受験資格が限定されており、専門知識を学習している人が対象となっています。すべての受験者が時間とお金をかけて一定の知識を身に付けているとも言え、合格率が高めになっています。

しかし考えようによっては、専門的に勉強している層ですら30~40%しか合格できないとも言えます。難易度が高く合格が難しい資格なのは間違いありません。

司法試験を短期で合格するためのポイント

司法試験は内容が多岐にわたり難易度が高いため、何年も続けて挑戦している人も多くいます。できるだけ短い期間での合格を目指すなら、効率を意識することと勉強時間を確保することが重要となります。具体的なポイントとしては次の3点が挙げられます。

【司法試験に短期で合格する方法】

  • 予備試験対策をしっかり活用する
  • 早い段階から問題を解く学習に取り掛かる
  • 隙間時間を有効活用する

それぞれ具体的に内容を見ていきましょう。

予備試験対策をしっかり活用する

働きながら、あるいは最短での合格を目指すなら、法科大学院ルートでなく予備試験ルートが一般的です。まずは予備試験を突破するための対策が重要です。

予備試験の試験科目は司法試験と共通で、試験形式も短答式・論文式となっています(予備試験はプラス口述試験もありますが、そこで落ちることはほぼありません)。2つの試験は科目が重なっているため、予備試験の勉強は司法試験にも役立ちます。

短答試験では足切り点を効率よくクリアし、論文試験対策の時間を捻出する必要があります。なおそのノウハウを考えると、1年など短期合格を目指すなら事実上独学は不可能だと言えるでしょう。

予備試験の合格率は非常に低くなっていますが、予備試験ルートからの司法試験の合格率は高くなっています。予備試験を突破することは、司法試験の合格に大きく近づくことを意味すると言えるでしょう。

早い段階から問題を解く学習に取り掛かる

早い段階から問題を解くことも大切です。短期合格のためには効率が重要です。知識のインプットと問題演習・論文の作成というアウトプットとを組み合わせると、短い時間でも知識を定着させやすくなります。

また問題を解くことは、答案作成のスキル向上や弱点の発見に役立てることができます。これも効率を考えると非常に重要です。論文については、問題の事例が長文のため読解にも答案作成にも時間がかかります。早い時期から問題を解くことは、スキルとスピードを向上させることにつながります。また弱点を発見することは、優先的にやり直すべきポイントがわかるということです。いずれの点でも効率的な学習ができます。

さらに、論文のスピードのように実践に向けて対策すべきことの方が暗記よりも多くあります。そういった意味でも問題を解くことが役立ちます。

隙間時間を有効活用する

勉強時間の量を確保するためには、隙間時間を有効活用する必要があります。短期間で合格する人は、隙間時間を最大限に活用しています。

移動の時間やちょっとした待ち時間など、5分でも10分でも時間があればすぐ勉強できるような準備を整えることをお勧めします。暗記カードやスマートフォンのアプリなど、テキストよりも持ち歩きやすいツールを活用しましょう。まとまった時間の取れるときには答案作成などを行い、隙間時間は細かいインプットやチェックをするのに向いています。

司法試験に合格した後の流れ

次に、司法試験に合格した後の流れをまとめます。大まかには次のようになります。

【司法試験に合格した後の流れ】

司法修習を受ける

就職先を見つける

司法試験に合格しただけでは弁護士や検察官になることはできません。上記の内容をクリアしてはじめて弁護士や検察官・裁判官となることができます。受け身の姿勢でクリアできるものではないので、最低限の努力は必要です。とは言え、試験に合格することに比べれば必要な労力や時間はわずかです。ここまで来たらあと一息です。最後のタスクと思って頑張りましょう。

では、合格後に必要となることを具体的に見ていきましょう。

司法修習を受ける

司法試験に合格したら、「司法修習」を受ける必要があります。司法修習とは、法律家となるために全国の「修習地」で実施される訓練や学習のことです。期間は約1年で、最後に修了試験(二回試験)に合格しなくてはなりません。

実務能力に加えて職業意識や倫理観を身に付けるために行われます。とくに裁判官か検察官を志望する場合は、この司法修習自体が就職活動のような意味も持ちます。

カリキュラムに沿って、判決書を起案したり裁判に立ち会ったりするほか、実際の事件を題材に事実を評価して法律に当てはめて結論を出す訓練や学習を行います。

なお司法修習期間中は「給費制」が適用され、基本給付金・住居給付金・移転給付金などの収入を得ることができます。基本給付金は13万5,000円、住居給付金は家賃を払っている人を対象に上限3万5,000円となっています。

就職先を見つける

司法修習を受けつつ、同時進行で就職活動も行う必要があります。就職先の例を挙げます。

【司法試験合格者の就職先例】

  • 法律事務所:弁護士の事務所で、最も多くの司法試験合格者が就職
  • 企業内弁護士:企業に在籍して法務などを担当。主に商社・銀行・証券会社・メディア系など
  • 裁判官:法曹三者のうちとくに狭き門とされ、司法試験の成績・修習中の成績・素行・生活態度などが考慮される
  • 検察官:採用面接があり、検察庁から資質を認められないと任命されない

合格後に就職活動を始めるのが一般的ですが、早い人は司法試験直後から説明会に参加し始めます。5大法律事務所希望なら、予備試験発表前後か法科大学院の最終学年の夏頃に人選も兼ねたインターンに参加します。

活動に当たっては、司法試験の成績通知書のコピー、大学・法科大学の成績表、履歴書・職務経歴書は用意しておきましょう。自己PRをしっかりまとめておくことと名刺も必要になります。

司法試験合格後の進路探しはSYNCAがおすすめ

弁護士を目指して、法律事務所への転職を検討中なら転職サイト「SYNCA」がおすすめです。法律事務所の求人が多数掲載されており、選択の幅が広がります。

また先に自己PRをまとめておくことが重要と言いましたが、PRのポイントとなる自己のスキルを知るのにも役立てることができます。上場経験のあるCFOがアドバイザーとして在籍しており、精度の高いスキル分析によって自分のスキルが可視化されます。以下のリンクからサイトをチェックすることができます。

司法試験合格後の進路探しはSYNCA

まずはぜひ確認してみてください。

まとめ

司法試験は最も難しい試験の1つであり、とくに予備試験ルートは予備試験が大変狭き門となっています。しかしそれを合格すれば大きく本番の司法試験合格に近づくことができ、時間的にも最短での合格を目指すことができます。

合格してから法曹三者のうち弁護士を志すなら、法律事務所に就職するのが一般的です。就職先・転職先探しにはぜひSYNCAをご活用ください。求人が多いことに加え、自己PRに役立つ精度の高いスキル分析を行うことができます。

司法試験合格後の進路探しはSYNCA

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。