ノウハウ

経理に向いている人・向いていない人の特徴|未経験から経理の仕事を目指す方法を紹介

栗田 謙人
更新日:2023/09/04

経理部は事務職のなかでも人気の職種の1つですが、残念ながら向いている人と向いていない人がいます。未経験で経理部への転職・就職を目指す場合は、自分が経理に向いている性格か気になる人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では経理に向いている人の特徴や未経験から経理の仕事を目指す方法を紹介します。経験はないもののこれから経理分野へ転職したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次
  • 経理の主な仕事
    • 現預金管理
    • 伝票記帳
    • 集計・書類作成
      • 決算の流れと必要書類
    • 給与関連業務
    • 税金関連業務
  • 経理の仕事のスケジュール
    • 1日のスケジュール
    • 1カ月のスケジュール
    • 1年のスケジュール
  • 経理の仕事が向いている人の特徴
    • 正確に慎重に作業を進められる人
    • 計画を立てて計画通りに物事を進められる人
    • 責任感の強い人
    • 数字に対して苦手意識がない人
    • 人とコミュニケーションをとることが好きな人
    • 協調性のある人
  • 経理の仕事が向いていない人の特徴
  • 未経験から経理の仕事を目指すには?
    • 社内での部署移動を狙う
    • 経理に有利な資格をとる
  • 適性を見極め、経理へ挑戦を!
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経理の主な仕事

経理の主な仕事内容は、以下のとおりです。

【経理の主な仕事内容】

  • 現預金管理
  • 伝票記帳
  • 集計・書類作成
  • 給与関連業務
  • 税金関連業務

上記のように経理の仕事は多岐に渡るため、未経験では難しいというイメージが強いですが、実は業務内容によっては未経験でもできるものがあります。経理業務が細かく分かれた大手企業では、一人一人に特化した経理業務が与えられるため、いきなり幅広い知識は必要とされません。数ヶ月の研修を受ければ経験がなくても経理として働けるようになります。

なお、経理部と財務部はどちらもお金に関する部署ですが、経理はお金の流れの管理、財務部は資金調達や予算の管理、資金運用などを行うのが両者の違いです。以後の項目では経理の仕事内容を具体的に解説します。

現預金管理

現金管理は現金の出入金管理、預金管理は銀行口座管理を行う業務です。現金や預金は会社経営に欠かせない資産であり、取引内容や残高を把握せずにいると支払いの遅滞や横領、着服につながる可能性もあるため、とても重要性の高い業務だといえます。

【現金管理の仕事内容】

  1. 鍵付きの金庫で現金を保管
  2. 金庫からの現金の出入りを現金出納帳と会計システムで記録・管理
  3. 1日の終わりに現金の残高と現金出納帳・会計システムの記録に相違がないか確認
  4. 社内規定で定められた金額を金庫に補充、一定額以上の現金は銀行口座へ預ける

【預金管理の仕事内容】

  1. 鍵付きの金庫で通帳と印鑑を保管
  2. 銀行口座の残高・出入金を確認
  3. 会計システムの残高と実際の預金残高で整合性がとれているか確認

伝票記帳

伝票記帳とは、企業間の取引内容を記録することです。そもそも経理がつける帳簿には、取引を時系列順に取引を記録した「仕訳帳」と勘定科目で分けた「総勘定元帳」があります。伝票を使わず仕訳帳のみを使う場合、取引が起きた順番に1行ずつ記録した後に総勘定元帳にまとめなければならないため、取引毎に複数人で記録を分担するのが困難です。

伝票を使えば、時系列に捉われず取引毎に記帳した後で総勘定元帳にまとめればよいので、取引担当者毎に業務を分担できます。合理的に経理業務を進める上で、伝票記帳は重要な方法だといえるでしょう。

伝票には入金伝票・出金伝票・振替伝票・仕入れ伝票・売上伝票があり、領収書や請求書など取引を証明する資料をもとに記帳を行うのが基本的な作業内容です。

集計・書類作成

経理では、1カ月毎に次決算、1年おきに年次決算を行います。月次決算は、自社の事業動向や損益を把握するために作成され、経営方針の修正を検討する際に役立つものです。経営方針を決める会議を毎月行う場合は、月次決算が重要な資料になるでしょう。

また、年次決算で全ての処理をまとめて行うのは大変になるため、月毎に調整を行い、年次決算の負担を減らすという側面もあります。年次決算は納税額の決定に関わるのに加え、財政状況をもとに次年度の資金繰りと経営方針を検討するために必要です。

決算の流れと必要書類

【月次決算の流れ】

  1. 勘定の整理:現預金の照合・売上の計上・未払金の整理・棚卸しなど
  2. 決算書の作成:一般的には賃借対照表と損益計算書を作成することが多く、必要に応じて予算実績管理表や月次損益推移表などを作成

【月次決算に必要な書類】

  • 残高試算表
  • 総勘定元帳
  • 補助残高一覧表
  • 資金繰り表
  • 台帳

【年次決算の流れ】

  1. 勘定の整理:現預金の照合・売上原価の算出と売上の計上・売掛金や貸付金等の確認など
  2. 決算書の作成:賃借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書・株主資本等変動計算書などを作成
  3. 税金の計算:法人税・法人事業税・法人住民税・消費税などを計算
  4. 書類の準備:法人税申告書や消費税申告書など、法人税・消費税に関連する書類を準備

【年次決算に必要な書類】

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 内訳書
  • 法人事業概況説明書

給与関連業務

給与関連業務では、従業員の月々の給与を算出し、支払いを行います。基本給に残業代や必要な手当を追加した総支給額から所得税・社会保険料・住民税・雇用保険料を差し引いたものが従業員への支給額です。差し引いた税金や保険料は国や各自治体に納める必要がありますので、誤りのない計算が求められます。

給料は労働に対する大切な対価です。また、労働基準法24条において毎月1回以上、一定の期日を決めて賃金を支払うことが定められており、適正な給与を支払うことは経理の重要な業務の1つに数えられます。

税金関連業務

税務関連業務では、会社が支払うべき法人税や消費税を算出し、納税を行います。一般的な財務会計の規則に沿って決算書を作成した後に法人税法で決められた項目の調整を行い、最終的な課税所得を出すのが基本です。

会社は決算後に税務申告書と決算書を作り、正確に納税を行う義務があります。毎年の税制改正に対しても迅速に情報を仕入れた上で柔軟に対応する必要があり、専門知識を備えた経理担当者の存在が欠かせないといえるでしょう。

経理の仕事のスケジュール

経理事務には、毎日の仕事以外に月や年単位で決められたタイミングに行うべき仕事があります。給与の支払いや決算書作成など期日が決まっているものは遅滞や漏れがないよう、しっかりとした準備を行わなければなりません。あらかじめ仕事の計画を立てておかないと、何をすべきかわからなくなり、期日に間に合わない可能性もあるため注意が必要です。

そんな経理の一般的な仕事スケジュール例を、1日・1カ月・年間別に紹介します。

1日のスケジュール

1日のスケジュール(閑散期)
9:00 出社
10:00 小口現金を準備
11:00 仮払金・経費精算などの処理
12:00 昼休憩
13:00 入出金確認
14:00 伝票の作成・データ入力
15:00 現金残高の照合
16:00 メールチェック・ファイリング
1日のスケジュール(決算の近い繁忙期)
9:00 出社
10:00 小口現金を準備
11:00 仮払金・経費精算などの処理
12:00 昼休憩
13:00 決算書類作成
16:00 伝票の作成・データ入力
17:00 現預金の入出金を確認

1カ月のスケジュール

1カ月のスケジュール
1日 売上代金の請求と回収の管理業務・在庫の確認・実地棚卸
5日 月次決算
10日 住民税や源泉徴収税の納付
20日 給与の算出と支払い準備・社会保険料の算出・仕入代金の支払い
25日 月次決算
末日 伝票類の取りまとめ・社会保険料の納付

1年のスケジュール

1年のスケジュール
4月 決算整理・財務諸表作成
5月 決算書類作成・株主総会の準備
6月 株主総会の開催・税務申告
7月 賞与計算と振込み・支払届の提出・労働保険の年度更新・社会保険料算定基礎届の提出
11月 中間税務申告
12月 年末調整・賞与計算と振込み・支払届の提出
1月 法定調書と給与支払報告書の提出・支払調書の作成と提出
3月 実地棚卸・年次決算準備

経理の仕事が向いている人の特徴

経理の仕事には、向き・不向きがあります。一般的に経理に向いているとされる人の特徴は、以下のとおりです。

【経理に向いている人】

  • 正確に慎重に作業を進められる人
  • 計画を立てて計画通りに物事を進められる人
  • 責任感の強い人
  • 数字に対して苦手意識がない人
  • 人とコミュニケーションをとることが好きな人
  • 協調性のある人

経理の仕事をするためには、正確性や責任感、コミュニケーション能力などが求められます。各項目の詳細を確認し、自分に経理が向いているか確認しましょう。

正確に慎重に作業を進められる人

経理では、正確性が重視されます。帳簿に記録した数字と実際のお金の流れに1円でも齟齬があると、全ての記録を見直さなければなりません。経理の仕事は給与の支払いや税金の納付など会社の根幹に関わることが多いため、少しでも誤りがあってはならないものです。

日々正確かつ慎重に業務を行っていれば、記録と実際のお金の流れに齟齬は生まれなくなります。ミスが少なくクオリティの高い作業を進められる人こそ、経理向きの人材だといえるでしょう。

計画を立てて計画通りに物事を進められる人

経理では、毎日のお金の管理はもちろんですが、1カ月単位・1年単位でこなす業務もあります。税金や給与の算出・支払い、決算書の作成など期限が定められた業務も多いため、確かな計画を立て、そのとおりに業務を進められることも大切です。

計画性がなく、行き当たりばったりで業務を行うような人だと期日までに業務を終えられず、大きなミスへとつながる可能性があります。先々の見通しを立て、目標を達成するためには何をすればよいのか検討できる人でなければ、経理の仕事は難しいかもしれません。

責任感の強い人

経理は、会社のお金の流れを管理する部署です。そのため、ミスをすることなく業務を遂行するための責任感が求められます。他人任せにして、業務を中途半端なままで放置するような人だと経理の仕事は回らない可能性が高いです。

特に中小企業は経理の業務範囲が広く、資金繰りも担当することが多いため、より大きな責任がかかります。小さなミスでも他部署や取引先に迷惑をかけてしまうことを意識し、円滑に業務を進めるためには何をすべきか考えられる人なら責任感を持って経理の仕事を続けられるでしょう。

数字に対して苦手意識がない人

伝票の作成や給与計算、決算書の作成など、経理では日々さまざまな面で数字と向き合うことになります。数字に対して苦手意識があると、会計システムやExcelなどへデータを入力する際にミスが多くなり、業務が思うように進まないことがあるかもしれません。

数字に苦手意識がなく、滞りなくデータ入力ができる人なら、ミスを最小限に抑え、円滑に業務を進められるようになります。また、長時間数字と向き合って集中力が途切れないことも、経理に向いている性格の特徴です。

人とコミュニケーションをとることが好きな人

常に計算やデータ入力に明け暮れる印象のある経理ですが、実は人と関わることも多いため、コミュニケーション力が重要視されます。例えば、営業部などの他部署から出た数字を取りまとめる際には、その部署の担当社員との綿密なやりとりが必要です。

また、取引先への請求内容の確認など、自社以外の人とのコミュニケーションが求められる場面もあります。お金に関わることだからこそ、円滑なコミュニケーションを通して相手の意図を汲み取り、正確性の高い仕事を行うことが大切です。

協調性のある人

多岐に渡る経理業務は部署内で仕事を分担して行うため、協調性が求められます。それぞれの仕事の流れを把握し、遅れている人がいる場合はフォローをするといったように、連携プレーを意識しなければスムーズに仕事が進まなくなるからです。

経理はオリジナリティや個性が求められる仕事ではありませんが、チームでたくさんの仕事を捌いていく必要があります。お互いに協調性を持ち、情報を共有しながら仕事を行えばよい連携が生まれて、繁忙期も乗り越えやすくなるでしょう。

経理の仕事が向いていない人の特徴

これまでに紹介した「経理に向いている人」と逆の特徴を持つ人は、経理に向いていないと考えられます。経理に向いていない人の具体例は、以下のとおりです。

【経理に向いていない人】

  • 大雑把な人
  • スケジュールを立てることが苦手な人
  • 責任感のない人
  • 数字に対して苦手意識が強い人
  • 人とあまり関わりたくない人
  • オリジナリティや創造性が求められる仕事がしたい人

向いていない人が経理の仕事に就くと、毎日数字と向き合うことにストレスを感じたり、長時間のデスクワークに苦痛を感じたりすることがあります。仕事を負担に感じないためにも、自分の適性を見極めるようにしてください。

未経験から経理の仕事を目指すには?

未経験で経理になるのは難しいと思いがちですが、基本のステップを踏めば経理の仕事を目指せます。主な方法は、以下のとおりです。

【未経験から経理を目指す方法】

  • 社内での部署移動を狙う
  • 経理に有利な資格をとる

部署移動や資格の取得など、ポイントを押さえておくことで経理部への就職につなげられます。それぞれの方法の具体的な内容を確認し、自分にあったやり方で働きやすい仕事を手に入れるための参考にしてください。

社内での部署移動を狙う

現在の会社に所属しながら経理の仕事に就きたい場合は、部署移動を狙う方法があります。希望の部署に移動するためには、まず直属の上司に相談してください。今後も同じ社内で働き続ける以上、上司とよい関係を保った状態で部署移動するのが理想です。

次に、会社の人事制度に沿って異動願いを提出します。繁忙期を避け、人事異動時期の1カ月前には直属の上司に提出しておくとよいでしょう。

異動を成功させるためには「自分には経理部で活かせる能力がある」など、異動が有益であることをアピールするのがポイントです。「経理に興味がある」といった曖昧な理由だと異動は困難になるため、具体的な移動の目的を考えてみてください。

経理に有利な資格をとる

「未経験者可」の求人もあるため、必ずしも経理の仕事に就くために資格が必要というわけではありませんが、経験者が優遇されることが多いのは事実です。そのため、資格をとった方が転職や部署移動でも有利になります。最後に、経理におすすめの資格を確認しましょう。

【経理未経験者向けの資格】

資格名 概要 合格率
マイクロソフトオフィススペシャリスト マイクロソフトオフィスツールの操作スキルを証明する資格 合格率非公開
※パソコン操作に慣れていれば難易度は低め
簿記検定3級 帳簿記入の方法や経理関連書類の読み方を始めとした、経理業務の基本的な実務ができることを証明する資格 合格率45.8%
※2022年6月12日実施回(参考:商工会議所の検定試験)
ビジネス会計検定3級 財務諸表を理解し、会計の目線から企業の実態を分析するための知識を備えていることを証明する資格 合格率63.5%

適性を見極め、経理へ挑戦を!

経理は、会社のお金の流れを管理する重要な部署です。業務内容は多岐に渡りますが、正確かつ慎重に仕事を進められる人や数字に苦手意識がない人、コミュニケーション能力が高い人が経理に向いていると考えられます。

経理に向かない性格だと、仕事にやりがいを感じられず、ストレスを溜めることもあるため、自分に適性があるか考えることが大切です。また、未経験で経理を目指す場合は資格を保持していた方が有利ですので、部署移動や転職を希望する際は資格取得も視野に入れるとよいでしょう。

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株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。